シュリーマンという考古学者を知っているだろうか。後に「トロイアの遺跡」を発見したことで有名になったシュリーマンが1865年に訪れた八王子の旅行記を和訳した書籍「シュリーマンと八王子〜『シルクのまち』に魅せられて」が昨年12月20日に出版された。
編者は創価大学文学部の伊藤貴雄教授。同書によると、シュリーマンは考古学者として名をはせる前、2年間にわたって4大陸(9カ国)を旅した。日本には横浜を中心にわずか1カ月、八王子に至っては4時間しか滞在していないが、シュリーマンによる旅行記『清国・日本』では八王子についての記述で1章を割いている。
桑都としてのまちなみ書く
旅行記内でシュリーマンが記したのは、桑都としての八王子の景色だ。日本では幕末から明治時代にかけて、生糸(絹)が国の近代化を支える大事な産業であり、八王子はその中心地であった。街中には絹織物の店が点在し、見て回ったほとんどの家には絹の手織り機があったという。
同書では、シュリーマンの生涯や直筆の旅行記から八王子訪問時の記録を初めて和訳。また、編者の伊藤教授が勤める創価大学文学部が企画・実施した、「シュリーマン生誕200周年記念まちおこしプロジェクト」の概要も紹介されている。
第三文明社刊。定価1650円(税込)。詳細は「シュリーマンと八王子」で検索。
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