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公開日:2026.05.14

いちょうホール 鍵がチャイムに再生 市内在住 打楽器奏者が主導

  • 旧いちょうホールの鍵などで製作した打楽器を奏でる永井さん=(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団提供

    旧いちょうホールの鍵などで製作した打楽器を奏でる永井さん=(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団提供

 昨年7月にリニューアルオープンした八王子市芸術文化会館(いちょうホール/本町)で4月28日、旧施設で使用されていた「鍵」などを材料にした新たな公演チャイムの完成記念式が行われた。制作は市内在住の打楽器奏者・永井朋生さんが手がけ、鍵のほか市内のいちょうや桑の木など100%地元産の素材を使用。役目を終えたパーツが、来場者を迎える唯一無二の音色として生まれ変わった。

 同企画は、八王子市から委託を受け指定管理者としていちょうホールを管理・運営する(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団と、永井さんによるもの。同財団と市が2023年9月から、10年計画で始めた大型地域イベント「八王子芸術祭」内で進めている「音のあしあと」プロジェクトの一環だ。

 永井さんは、市内在住の音楽家・打楽器奏者。世界各地で出会った素材を用いて楽器をつくりだし、ソロやバンドでライブ活動などを行っている。木材や金属などから木琴・鉄琴などを主に製作している。

 八王子芸術祭の通年企画として永井さんが手がけているのが、八王子の素材でつくる楽器群「Kinon(キノン/絹音)」。25年には、高尾駒木野庭園(裏高尾町)や市立第八小学校(石川町)で完成した分のキノンの演奏会を開いている。

 ふれあい財団と永井さんは、「音のあしあと」プロジェクトを具体化するなかで、「八王子にある地域の音を市民の記憶に残したい」と模索。同財団が管理するいちょうホールが23年から大規模改修工事を行うことや、「鍵」の響きが楽器素材として極めて優れていることに着目し、これを再活用したオリジナル楽器の製作を実現させた。

 再活用したのは、旧いちょうホールの大・小ホールや楽屋、配電盤やロッカーなどで使用されていた鍵約150個。紐で吊るし、風や振動で触れ合うことで涼しげな音を鳴らす「ウインドチャイム」と似た楽器に仕立てた。加えて、恩方小津町の「小津倶楽部」から提供されたいちょうや桑の木といった八王子産の素材で木琴も製作し、ウインドチャイムを合わせた約30秒のチャイムを録音した。

 4月28日に同ホールで行われた完成記念式「音の納品式」では、集まった関係者など約30人を前に、公演時に客席に流すチャイムが披露され、視聴した観客から拍手が沸き起こった。また同じ楽器を使用して、永井さんによるミニ公演も行われた。今後は同館大ホールの開演を告げる「ベル音」として、来場者を迎えることになる。

 プロジェクトを進めた(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団のスタッフは、「"八王子の音"をチャイム音として形にした。大ホールで催し物を行う際は、主催者がチャイムの音色を選ぶことが可能なので、歴史と想いが詰まったこの音色を、ぜひ会場に響かせてほしい」と話している。

 永井さんは「私たちの作る『音』にはそれぞれに背景や物語があり、大きな意味を感じている。八王子が、そんな一つひとつに個性やストーリーを持った音が響き合う街になってくれたらうれしい」と思いを語った。

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