神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
大和版 公開:2024年11月1日 エリアトップへ

徒然想 連載320 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

公開:2024年11月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
徒然想  連載320

 今月は瞋(いかり)を以て瞋に報い、打を以て打に報ゆることを得ざれ、です。

 出典は中国『梵網経』第二十一、軽戒。

 意は、怒りの心を抱いている人に対して、怒りをぶつけてはならない。殴った人を殴り返してはならない、ということです。この文言は報復を禁じたものです。仏教の立場は暴に報いるに暴をもってすることは許されない事なのです。

 原始経典『ダンマパダ』(法句経)にも「実にこの世においては怨みに報いるに怨みを以ていたならば、ついに怨みの息(や)むことはない。怨みを捨ててこそ息む。これは永遠の真理である」と書かれています。

 第二次世界大戦終結の際、対日賠償請求を放棄したセイロン(現在のスリランカ)の大統領が演説に引用したことで有名な文言です。

 怨みを克服する道は、相手に報復することではなく、怨みそのものを捨てること。報復して怨みを晴らすことは、一時の感情的な満足感が得られるに過ぎず、相手はまた報復してくるからです。怒りは暴走する車に例えられますが、強い怒りの炎をしっかり制御できる人こそ真の悟りし者であり、相手を許すことのできる人なのでしょう。

桃蹊庵主 合掌

大和版のコラム最新6

徒然想 連載323

徒然想 連載323

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

2月7日

徒然想 連載322

徒然想 連載322

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

1月10日

徒然想 連載321

徒然想 連載321

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

12月6日

徒然想  連載320

徒然想 連載320

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

11月1日

徒然想  連載319

徒然想 連載319

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

10月11日

徒然想  連載318

徒然想 連載318

花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

9月6日

あっとほーむデスク

  • 2月7日0:00更新

  • 1月31日0:00更新

  • 1月24日0:00更新

大和版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

大和版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2025年2月10日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook