厚木・愛川・清川 トップニュース社会
公開日:2025.10.31
厚木市棚沢
バリアのない移乗を
事故経験から福祉車両の道へ
車いすの乗降・収納から、運転のサポート装置まで、厚木市棚沢の(株)ニッシン自動車湘南(松木康浩代表取締役)は県内でも数少ない福祉車両への架装を取り扱う。多様化する福祉車両の架装への思いを聞いた。
「自分もユーザーのひとり。障害があっても車に乗りたいという気持ちをサポートしていきたい」。そう話す松木代表は、学生時代にオートバイの事故で半身不随となり、車いす生活になり30年が経つ。自身も車に乗りたいという気持ちから、車を福祉車両に架装して載っていただけでなく、カーレースにも出場していた経験を持つ。
同社を立ち上げたのは10年前のこと。松木代表は自動車関連企業への就職予定だったが、事故によりエンジニアとして別の一般企業に勤めていた。自身も運転し、レースなどに参加する中で、自動車に関わりたい気持ちは消えず、それまで福祉車両の架装でお世話になっていた人の勧めなどもあり、運転補助装置大手のミクニライフ&オート(旧ニッシン自動車工業)の正規代理店という形で福祉車両の会社を立ち上げた。
今では松木代表を含め3人のスタッフで、神奈川・山梨・静岡を中心に年間350件以上の車両に福祉器具を取り付けるという。ユーザーとは長い付き合いになることも多いといい、松木代表も自身の経験から、多くのアドバイスをするという。就職から日常生活まで「車に自由に乗ることができて良かった」という言葉を聞くのがうれしい瞬間。また「身体が不自由な方にとって、車を運転するための架装はどうしても必要なもの。何かあれば気軽に相談してほしい」と、これからも誰もが車に乗れる社会づくりに力を入れる。
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