「住んでいても知らない」新たな発見
大上自治会(見上正信会長)が先月26日、「第3回大上自治会(仮称)防災まちづくりワークショップ」を開催した。住民自らが問題を提起し対策を模索することで、防災も視野に入れたまちづくりを目指そうという取り組みだ。
同ワークショップは、2013年3月の「綾瀬市防災まちづくり計画」策定がきっかけになった。同計画では、市内数カ所が木造住宅の密集などに起因する「火災の延焼拡大かつ建物倒壊の防止が必要な地区」に指定されており、大上地区がその内の一つだったためだ。
「その旨を該当エリアに伝えたところ、大上自治会から『対策を検討したい』という打診があった」と、市都市政策課は話す。これを受け同課と防災対策課、消防総務課、福祉総務課職員も参加し、指定地区初の取り組みとしてワークショップを開催する運びとなった。
昨年12月の第1回では、東京大学の加藤孝明准教授を講師に招き、防災まちづくりのポイントを学んだ。第2回は今年3月に実施。自分たちの住むエリアを3班に分かれてまち歩きし、大上地区の資源や課題を発掘して情報を共有した。
3回目の開催となった26日には、まち歩きで得た情報をどう活かすかが話し合われた。各班から「あんなところに階段があるなんて初めて知った」「自分が住んでいる街なのに、初めて歩いた場所があった」などの意見が飛び出した。
ワークショップは次回6月8日に最後のまとめが行われる。「これで終わりではなく、活動は続けていきたい。今回得た情報を地域で共有し、自治会独自の防災MAP作成や防災チーム立ち上げなどの提起に繋がれば」と、見上会長は今後に期待を寄せる。市都市政策課によると、すでに他地区でも開催が予定されており、大上自治会の取り組みは一つのモデルケースとして広がろうとしている。