世界中の”腕自慢”が集い、力と技をぶつけ合う競技「アームレスリング」。昨年6月のアジア大会を制し、世界の舞台に思いを馳せる兄弟がいる。市内寺尾釜田在住の三浦喜也さん(20)と有瑠喜さん(19)だ。若き2人のアスリートは、世界制覇を目指し鍛錬に励む。
兄弟がアームレスリングという競技に出会ったのは高校生の時。もともと腕相撲が強かった2人に、校内に張り出されていた大会の案内を友人が持ってきたのが始まりだった。その時、兄の喜也さんは3年生で弟の有瑠喜さんは1年生。初の大会出場で喜也さんは全国3位を勝ち取った。
「自分より大きい相手と互角以上に戦えるのが楽しくて続けようと思った」と話すのは喜也さん。一方、有瑠喜さんは「自分はいまいちだったけど、根が負けず嫌いで次は勝ちたくて続けました」と当時を振り返る。どちらも競技にのめり込み、有瑠喜さんは高校で同好会を立ち上げたほどだ。
現在、兄弟は横浜のアームレスリング道場に所属。腕を鍛えるダンベルトレーニングと、全身を鍛えるジムでのトレーニング、各地の道場での実践練習で実力を蓄えている。
試合は21歳以下のジュニアとそれ以上の一般があり、各階級レフト・ライトに分かれ行われる。ジュニア60kg級前後の階級にいる兄弟は喜也さんが右、有瑠喜さんが左を得意とし、どちらもパワー重視のスタイルで戦っている。
同階級では、「国内ですでに敵はない状態」という三浦兄弟。今年6月に行われた「アジアオープンアームレスリング仙台大会」では2人とも優勝し、世界への挑戦権を得るまでに成長している。
「今回は旅費が用意できず出場を断念したが、今年こそ世界に挑みたい。まずは世界大会で優勝し、選手としてのピークを迎える20代後半〜30前半には、上の階級を制したい」と競技にかける想いを語った。