『住む』と『働く』を一つの地域で完結させ、活性化に繋げるビジョンを示した綾西バザール商店街の縮小模型が、同商店街内「花いちもんめ」に展示されている。現在、個人でデザインの仕事をする原地千尋さん(22・海老名市在住)が卒業制作として作ったもので、若い発想で付加価値を創出する新たな視点が盛り込まれている。
この模型は、「今あるものをどうしたらより魅力的にできるか」を考え、設計された。街並みなどを検証する上で一目見てわかるよう、建物や間取りが細かく作られ配置されている。
大学で、働く母親の労働をテーマにしていた原地さんは「母親が働きづらい要因の一つは住居と職場の距離にあるのでは」と考え、以前から「まち」に着目していた。そんな時、祖母から聞いた綾西バザールに興味を持ち足を運んだという。
地域の生活を支えるため開発された敷地と、その横にある桜並木など「素材の良さ」に注目した原地さんは、卒業制作のテーマに同商店街を選択。花いちもんめの野村耕司代表に話を聞くなど、調査と取材を重ね設計した。
完成した模型では、特徴である桜並木を活かした同線を確保しつつ、住居と職場を一つにしたコミュニティを形成。シェアハウスや、ちょっとした隙間をオフィスやアトリエとして利用するなど、新しい要素も取り入れている。
同作品は商業施設技術団体連合会会長賞を受賞しているほか、全国卒業制作コンクールにも選出されている。「それほど評価されたものなら」と、商店街側が原地さんに展示を打診した。
「ここが衰退し、どうにかしたいという思いはずっとある。この素晴らしい作品が、市民や行政を動かす一つのきっかけになれば」と、野村さんは話す。
模型は6月19日に開かれる「みんなの広場大市」で、原地さんの解説付きでお披露目される。時間は昼ごろの予定。
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