結婚66周年迎える 小園在住 栗原さん夫妻
綾瀬市小園在住の栗原曻(しょう)さん(97歳)、タカさん(91歳)夫妻がこのほど結婚66周年を迎えた。夫妻は終戦間もない1946年3月25日に結婚し、綾瀬で過ごしてきた。
21歳から満洲や大東島へ出兵していた曻さんが終戦を迎え綾瀬へ帰郷し、タカさんの姉夫婦の紹介で2人は出会った。「出会った時は戦場で患った病気の影響で髪が無かったから、すごく年上に見えた」とタカさんは第一印象を振り返る。
借金を抱えながら、高座豚の養豚や養蚕、稲作、小麦など農業に明け暮れる生活だった。ピークの頃は豚が50頭、蚕が60万匹、田んぼは70アール(2100坪)あった。毎日農作業に追われる日々で子育てもままならなかった。軍隊で青春時代を過ごした、仕事に厳しい曻さんに、働き者で勝気なタカさんは応えた。朝5時には起きて、近所の家に子どもをあずけて家事や農作業をする日々。「いろいろありましたが、結婚生活は我慢と努力。少しでも生活が良くなるように努力する日々でしたよ」と話す。生活は井戸水、ガスも洗濯機も無い時代から、高度経済成長期、現代まで激動の時代を駆け抜けた。
一緒に元気でいることが円満の秘訣。15年ほど前に曻さんが脳の血管が切れて入院した時、タカさんは自宅のすぐそばの延命寺の地蔵に毎日通っては線香を備え、草むしりなどし、祈り続けた。「不安も感じました。今日まで生きながらえたことに感謝しています」とタカさん。これからも2人で時を刻んでいく。