綾瀬リトルシニア 野球通じ被災地支援 東北遠征でボランティアも
綾瀬市を拠点に活動する中学生硬式野球チーム「神奈川綾瀬リトルシニア」の選手らが、8月13日、昨年3月の東日本大震災で被災した宮城県石巻市の鹿妻(かづま)小学校で除草などグラウンド整備のボランティアを行なった。
これは東北遠征中の一幕。きっかけは昨夏、同県仙台市へ転居し「宮城北部シニア」に移った元チームメイトの存在だった。連絡を取り合う中、遠征で同チームと交流試合を企画し、「東北に行くなら何か震災のことを考え、支援に繋がる経験ができれば」と紹介を繋ぎ、同校を拠点に活動する小学生野球チーム「子鹿クラブ」と出会った。遠征には選手や保護者ら90人が参加していた。
バスでの移動中、窓からは未だに残るガレキや建物に残る津波の線などが見えたという。普段は笑い話の絶えないメンバーも、震災の爪痕を目の当たりにし、胸を痛めた。作業は子鹿クラブの子どもたちと行ない、終了後は合同練習も実施。作業中に、現地の人達から暑さを気遣う声をかけられたりする場面もあり、「初めて生で現地を見て、行って良かったと思いました」と参加した3年生の選手は話していた。
綾瀬リトルシニアの出野一宜監督は「ただ野球をするのではなく、中学生の大切な時期になるべく多くの経験をさせたかった。人間力を伸ばすことに重きを置く当チームにとって、とても良い経験になった」と話していた。
鹿妻小学校は石巻漁港から約1Kmほどの場所に位置している。震災では床上浸水13cmの被害があり、発生後には約1800人が同校へ避難していた。