希少種眠る森 守る 有志が管理「取内の森」
落合北の「取内の森」には絶滅危惧種など貴重な植物が数々宿る。その森を管理しているのは有志ボランティアで結成された「キツツキの森管理委員会」(福島國美会長)だ。
戦後から手つかずのままだった森を整備しようとボランティアが立ち上がったのは2008年。落合南で「キツツキの森」を整備するメンバー約80人が、そのノウハウを活かし、新しい森づくりに着手した。産業廃棄物などが散乱し、草木が生い茂った約0・8ヘクタールの森を、2年かけて散歩道などを作り自由に散策が楽しめるように整備。専門職経験者はおらず、定年後に初めて草刈り機やチェンソーを手にするメンバーがほとんど。「やってみよう」を合言葉に、なるべく元の自然を残そうと自生種を守りながら整備を進め現在に至る。「植物たちは共存している。手を加えすぎてもいけない」とメンバー。
「取内の森」は絶滅危惧種とされる「キンラン」や「キツネノカミソリ」、「ウバユリ」など希少な植物が自生している。野鳥も鑑賞でき、夏休みには子どもたちが昆虫採取に集まる。メンバーによると「冬季はたくさんの落ち葉があるので、歩く音を楽しみながらふかふかの散歩道を楽しめる」という。森は落合北1丁目1658番地、駐輪場のみ。