ソーセージ・ハム・肉加工品・惣菜などブラジル食品の製造・卸売を行っている市内企業「ラテン大和」(寺尾台)の栗原豊治代表取締役会長が、ビジネスアワードを受賞した。長年の経済活動を通し、日本国内でのブラジルの食文化発展に貢献した点が評価され、受賞に至った。
ビジネスアワードは、2010年から行われている「FOCUS BRASIL&PRESS AWARD IN JAPAN」で、今年から新設された賞。今までは芸術や音楽などアーティスト中心だったが、同賞は国内でブラジル食文化や交流などに寄与する企業が対象となる。創設年となった今年、ラテン大和は受賞13社のうちの1社に選ばれた。
同社は日系ブラジル人が創業した会社だった。起業から2年ほどで経営が立ち行かなくなり、立て直しの話を持ちかけられた栗原会長が買い取ったのが1992年。製薬会社や不動産会社など全く違う分野で仕事をしてきた同氏は、自らブラジルに赴きリサーチするなど手探りの状態から始めたという。
その後、「食品メーカーとしてきちんとしたものに」と、社内の意識改革を実施。合わせて食品加工会社を定年した人にレクチャーを受けるなど、徐々に企業としての形を作り上げていった。
同社の企業理念は25年前から変わらぬ「プラチ」。これはポルトガル語の「PARA TI」(愛する人のために)と、「PRATICO」(利便性)を合わせた造語で、故郷を離れ暮らすブラジル人に「国の料理でほっとできる時間を、手軽に提供したい」という思いが込められている。
当時、個人企業がブラジル食品をメーカーとして供給することが珍しい中、いち早くこの「プラチ」をブランディング。企業ロゴと合わせてパッケージに印刷するなど、先進的な取り組みを行ってきた。
綾瀬で光る企業に
リーマンショックなど社会情勢の変化によって在日ブラジル人が減り、大幅な売上減で一時は苦境に立たされたが、今は直売所を作るなど日本人向けの販促ルート開拓に着手。市が行うふるさと納税返礼品への協力や、綾瀬の名を冠した商品開発で地元ブランド化を進めるなど、「綾瀬市」の名前を広めるための地域活性にも力を入れている。
「地域を元気にするためには、みんなで何かをやっていかないと。社員が『地域の会社の一員』という意識を持つことで、ラテン大和を綾瀬の中で光る会社にしたい」と、栗原会長は今後の展望を語った。
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