社会福祉法人綾瀬市社会福祉協議会(=社協/増田譲会長)が相鉄バス(株)協力のもと、西日本豪雨で大規模な冠水被害が起こった岡山県倉敷市真備町にボランティアバスを運行した。同協議会が東日本大震災復興支援として継続して行っている岩手県釜石市以外への運行は初。また、相鉄バスとしても無償でのボランティアバス運行は初の試みとなった。
倉敷市へのボランティアバス運行のきっかけを作ったのは、相鉄バス(株)綾瀬営業所の山田勝信所長だった。「被災地へのバスを出せないかという打診を受けた。地域に根付く企業として社会に貢献できないか」と本社に掛け合い、実現した。
今回が初のボランティア活動となった山田所長。東日本大震災時、「人として自分にも何か支援ができないか」という思いを抱えながらも、仕事や生活に追われ一歩踏み出せなかったことがずっと心に引っかかっていた。
「多分そういう人はたくさんいて、自分もそのうちの一人だった。会社としてできることは、本業であるバスの運行。何とか、無償で提供できないかと思った」と話す。
同社の決済が降りたあとは主催である社協が急ピッチで調整と募集を行い、15人のボランティアが参加。これに山田所長と社協職員5人を加えた総勢20人が、8月31日から9月2日の日程で真備町に向かった。
ボランティアの必要性を痛感
現地で山田所長が肌で感じたのは、ボランティアの必要性だった。冠水被害から約2カ月。ぱっと見ではわからないくらいに復旧してきているが、よく見ると家財道具が運び出され1階の窓が開け放たれたままの空き家が多く目についたという。
ボランティアセンターを通して、山田所長らのグループは高齢者夫妻の住宅に向かった。浸水した床をリフォームするため、バール等を使い床板を剥がす仕事だった。「あれは男手がないと無理だと思った。先発のボランティアが2人いましたが、人手が足りず途方に暮れていたんですよ」と現場の状況を話す。
ボランティアを通し実感したのは「絆」という言葉の意味。「東日本大震災の時から意味をわかったつもりでいましたが、すれ違うたびにあいさつしてくれる地元の人や被災者との会話など、実際に現地で繋がってみて初めてこの言葉の意味が身に染みた。色々と考え方が変わりました」と、活動を振り返る。
今回、17歳の高校生が自主的に参加していたことにも心を打たれたという山田所長。「行って良かった。また、参加したい」と話す一方、「企業としても今後、綾瀬市の安全・安心のためにできることを模索していきたい」と公私ともに意欲を覗かせた。
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