市内久比里出身の落語家、三笑亭朝夢さん(43歳・本名/三ツ橋良紀)がこの春、真打に昇進する。
大手出版社勤務を経て、30歳で噺家の世界に飛び込んだ遅咲き。前座4年、二つ目10年の修行を経て、晴れて本当の意味で一人前となる。
28歳の時、出張へ向かう飛行機の中で聴いた昭和の名人、古今亭志ん朝の話芸に雷に打たれたような衝撃を受けた。以来、CDをむさぼるように聞きあさり、週末は寄席に通い詰めた。次第に頭をもたげてきたのは落語を「演じてみたい」という欲求。背中を押したのは根拠のない自信と、18歳で経験した親友の死だった。「好きなことをやってこそ人生」。決断するのに迷いはなかった。ただ、「年かさの自分が弟子入りを志願するには手土産が必要だろう」と、創作古典の落語台本を4本用意。そのうちの1本が賞を受賞し、師匠の夢丸さんに一門入りを認めてもらった。
古典落語にこだわり、話芸を磨く日々だ。書く才能はすぐに開花するが、話す技量は生涯を通じて─そんなアドバイスに従い、喋りの間や抑揚の付け方などを今も熱心に研究している。それは真打になっても変わらない。「落語家は職業ではなく、生き方そのもの。座布団一枚あれば、どこでも仕事ができる」
真打昇進後は三笑亭小夢を名乗り、披露興行を5月から都内各所の演芸場で開く。唯一の心残りは一昨年、一昨々年と続けて亡くなった父と母に晴れの舞台を見せてあげられなかったことだという。地元では1月18日(日)の午後7時から市文化会館で行われる「第七回0468スタイル寄席」に出演。以降も応援企画が計画されている。
問合せは「0468スタイル」神田さん【携帯電話】090・4069・6917
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