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横須賀・三浦 ピックアップ(PR)

公開日:2026.06.12

特別対談 横須賀の未来を奏でる協働 〜文化・芸術による地域の魅力創出〜

  • 横須賀の未来を奏でる協働 (写真1)

  • 横須賀の未来を奏でる協働 (写真2)

  • 横須賀の未来を奏でる協働 (写真3)

 横須賀市の指定管理業務を主軸に、公益目的事業として地域のスポーツ・文化振興を積極的に推進している「一般財団法人シティサポートよこすか」(CSY)の竹内英樹代表理事。その力強いパートナーである「よこすかの音楽家を支援する会」(YMSA)の宮本史利代表理事が、文化・芸術による地域の魅力創出をテーマに熱く語り合った。

収益を地域に還元

 ──飲食しながら気軽に本格的な音楽を楽しめるよこすかポートマーケットの「Sun Set Live」が、地域の文化イベントとして定着しています。アーティストの立場で、あの空間をどう捉えていますか?

 宮本)「音楽を含めて表現の場がある」ということが嬉しいですね。単発ではなく、定期的に行われている点も特筆すべき。継続的な出演機会があるのは、私たちの活動にとって本当にありがたいことです。不透明な未来は音楽家のモチベーションを削ぎ、その歩みを止めてしまいかねません。毎月必ず出番があるという安心感と継続性が将来への希望になり、「次はこんな企画に挑戦しよう」という一歩先の成長へと突き動かしてくれます。音楽家にとって主戦場はコンサートホールです。ただ、そこは少しハードルが高いと思われがち。ポートマーケットという日常空間で演奏を届けられることに意味があります。肩の力を抜いて、気楽な雰囲気で楽しんでいる姿を見ると、演者である私たちも楽しい。生演奏に触れる「入り口」になっていると実感しています。

 竹内)YMSAが地元・横須賀を拠点に活動されていることを知り、応援の意味も込めて出演依頼させていただいたのが約10年前。クラシック演奏を通じた「地域への貢献」という点に期待する部分があります。

 ──CSYとしてこうした事業をどのように位置付けていますか?

 竹内)ポートマーケットのライブや記念艦「三笠」でのコンサートを重要な「公益事業」に位置付けています。本業で得た利益をいかに地域へ還元していくか。多くの市民に喜んでいただける機会を提供していくことが必要だと考えます。YMSAとの連携を足掛かりに、今では三浦半島にゆかりのある多ジャンルの音楽家が出演してくれています。スポーツの分野では、プロから直接学べる機会などを用意しています。私たちの事業の最大の特徴は「自分たちだけで完結させない」という点にもあります。コンサートが終わった後、演者の皆さんが募金箱を持ってロビーに立ってくれます。これにより、「チャリティーコンサート」へと生まれ変わる。演奏を楽しんだ人のエネルギーが「寄付」という形になって社会福祉活動へ還元され、街を豊かにしていく。この一連のサイクルが、私たちの公益事業の誇るべき点です。

 ──収益を原資にして、公益事業を継続展開していくには、「ビジネスモデルとしての構造化」が必要です。

 竹内)元々CSYは「都市施設公社」として、横須賀市からの委託を受けて体育会館や運動公園などの管理運営を行ってきました。2004年度に「指定管理者制度」が導入され、民間企業と対等に競争しながら良いサービスを提供していく土俵に立つようになりました。12年度に一般財団法人へ移行し、さらに厳しい競争環境へと身を置くことになります。当時、ポートマーケットを直接運営していたのですが、専門的なノウハウの欠如から赤字を積み上げてしまい、法人の経営自体が圧迫される事態に陥りました。その状況下で約9年前に私が代表に就きました。すぐさま徹底的な内部改革に着手し、根幹である指定管理事業を利益の出る体質へと再構築しました。当法人の使命は、収益を公益事業へと転換していくことですが、肝心の収益が赤字ではままなりません。20年度にようやく経常収支を黒字へ転じさせることができました。

 ──自らを厳しく律し、経営を健全化することで、公益に充てる財源の捻出ができたと。

 竹内)その通りです。現在は、体育会館や運動公園、コミュニティセンターなどの指定管理を行いつつ、ポートマーケットの運営は民間のプロに任せるという連携の形ができています。ここで生まれた黒字分を原資にして種々の公益事業を大々的に展開しています。

 宮本)音楽家にとって大切なのは、まず自分が音楽で食べていけること。その自立の「先」に社会貢献があります。若い音楽家たちは、そこまでの経済的基盤に達していないことも多い。CSYのサポートにより安定した出演機会をいただきながら、演奏を通じて社会福祉に貢献するという理想のサイクルを築けています。私がYMSAを立ち上げたのは、音楽家として理想とする世界を自らの手で創るためです。文化先進都市であるイタリアのフィレンツェの人口は40万人弱。横須賀とほとんど変わりません。「海の向こうで成立している文化が、横須賀でできないはずがない」という確信がありました。私の周囲にいる6人の音楽家でコンサートを始めましたが、活動を続けるうちに、気が付けば50人を超えるメンバーが出演するコンサートを開くようになりました。音楽家にとって大切なのは、定期的に演奏できる場所が街の中に用意されていること。環境を求めて都内から横須賀へ移住し、活動を始める若手が出てきています。

 ──YMSAとして仕掛けていきたい「目標」や「夢」はありますか?

 宮本)3つあります。1つは、東京から横須賀へ音楽を聴きに行く流れを生み出すこと。横須賀芸術劇場のポテンシャルをフルに活かし、日本を代表する偉大な作曲家で横須賀ゆかりの團伊玖磨先生の埋もれてしまったオペラ作品などを掘り起こして「横須賀團伊玖磨フェスティバル」を実現させたいと思っています。2つ目は、「子育て世代」や「子どもたち」へのアプローチ。私たちの「泣いても大丈夫! コンサート」は、「子どもが小さくてコンサートに行けない。連れていっても、もし泣いたら周囲に気を使って心から楽しめない」というSNSの呟きから生まれた企画です。初回から会場に入りきらないほどの親子が集まり、ニーズを感じています。生演奏を直接届ける「学校訪問」も積極的に展開したい。多感な時期に本物の音を全身で浴びる経験は人生の大きな糧となり、将来への夢や希望を与えるきっかけになるはずです。3つ目は、ベネズエラ発祥の「エル・システマ」のように、家庭の経済事情に関わらず、子どもたちが平等かつ無償で楽器に触れられる環境を用意することです。学童保育に近い「音楽の居場所」を設けたいと考えています。

 ──CSYのビジョンも聞かせてください。

 竹内)こうした素晴らしいアイデアを一過性ではなく、持続可能なものとしてサポートし続けることです。それには、我々がさらに体力をつけなければなりません。法人として20年度以降、黒字を維持しており今春、100%市が出資する団体から、40%の自己資本を導入する団体へと生まれ変わりました。「自分たちの足でしっかりと立ち、自らの責任で意思決定を行う組織になる」という覚悟です。職員の意識も含め、「自らの手で地域を豊かにする財団」へと変わっていきます。事業でしっかり稼ぎ、その果実を「地域福祉」「子どもたちの成長」に還元していく循環の輪を大きく、強固にしていくことが次の目標です。

まちに音楽が流れる日常

 ──2人の話は、見据えている未来のベクトルが完全に一致しています。最後にこれからの横須賀の街をどう変えていきたいか、具体的な連携の話も交えながらメッセージをお願いします。

 竹内)YMSAなどの力を借りて、「市民の皆さんが音楽(クラシック・ジャズ)を日常的に楽しむ文化の定着」に取り組んでいきます。別の切り口として、福祉を専門とする社会福祉協議会と連携し、それぞれの得意分野を生かして、協働の輪を広げていきます。

 宮本)「日常の中に音楽がある風景」というのは、まさに私がヨーロッパで見てきて、横須賀で一番やりたかったことそのものです。同じ未来を共有できていることに鳥肌が立ちました。

 竹内)私たちが「空間や機会」を提供し、地域の様々なネットワークが一本の織物のように編み込まれていく。これこそが、私たちが目指べき「協働」の姿です。一緒に横須賀を前に進めていきましょう。

CSY対談スペース

横須賀市小川町11 横須賀市消防局庁舎6階

TEL:046-823-1913

https://cs-yokosuka.com/

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