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横須賀・三浦 教育

公開日:2026.09.03

横須賀学院中学校吹奏楽部 創部初の東関東大会出場 32年の思い結実

  • 受賞を喜ぶ指導者と部長を務める2人(右から碇教諭、松本さん、齋藤さん、芝副校長)

    受賞を喜ぶ指導者と部長を務める2人(右から碇教諭、松本さん、齋藤さん、芝副校長)

 横須賀学院中学校(横須賀市稲岡町)の吹奏楽部が、今夏開催された「第75回神奈川県吹奏楽コンクール」中学校B部門で「金賞・代表」を受賞した。9月19日(土)に千葉県で開催される東関東大会に出場する。創部以来初。

 同コンクールでは高等学校も高校生B部門で「金賞・代表」を受賞。中高揃っての東関東大会出場は、同校吹奏楽部の歴史において「学院初の快挙」と顧問を務める碇健太郎教諭は話している。

 今大会は、1年生3人を含む25人で挑んだ。結束力を高めるため、部長の松本彩花(あやか)さん(3年)と齋藤和奏(わかな)さん(3年)は全員参加のミーティングを実施。部の合言葉である「努力・感謝・相手の身になって考える」をメンバーで共有し、1年生からも自発的な意見を引き出すなど、丹念に話し合いを重ねたことで結束力と一体感のある演奏を実現した。

 演奏曲は、バレエ音楽『コッペリア』より。テンポが次々と変化する曲に対して、部員たちは実際のバレエの舞台映像を鑑賞し、劇中の舞台転換や踊りの意味を学ぶなどストーリーを意識しながら音に感情を乗せる表現を追求した。

 大会では「過去最高の完成度で演奏できた」と語る松本さんと齋藤さん。東関東大会に向けて「披露する内容を突き詰め、当日は楽しみながら最高の演奏を届けたい」と意気込みを語った。

「楽しい」のその先に挑んだ

 創部以来初の東関東大会出場と、中高揃っての「金賞・代表」の「ダブル快挙」を誰よりも感慨深く見守る人物がいる。

 同部の初代顧問を務めた芝裕彦副校長だ。吹奏楽の指導経験はなかったものの、音楽をこよなく愛する芝副校長は、当時高校のみだった吹奏楽部を中学校にも創設しようと立ち上がった。「音楽に気軽に親しみ、みんなで奏でる喜びを知ってほしい」という思いがあったからだ。

 1994年4月、16人の部員でスタートした。「楽しむことを最優先」とする方針を掲げたものの、メンバーの大半は演奏経験のない初心者ばかり。手探りの指導は困難を極めたが、同じ敷地内にある高校吹奏楽部の先輩たちが練習を手伝ってくれるなど、周囲の支えを受けながら部を盛り立てていった。そうした中、2001年に初めてコンクール出場を果たしたが、「実力不足は否めず県大会出場は遠い夢だった」と芝副校長。

 転機となったのは09年、音楽教諭である碇教諭が顧問に就任したことだった。部員不足や不確定な楽器編成が常態化していたが、在籍する部員たちへ「ただ楽しむだけでなく、技術を磨くことで演奏力を高めていく喜び」を粘り強く伝えた。 その指導が部員たちの意識変革をもたらした。さらに成功体験が部員らの次なる挑戦へのモチベーションになると考え、コンクールを意識した指導を展開。次第に「目標を掲げて挑む」という姿勢へと変わっていった。

 近年は市内の吹奏楽団で指揮者を務めていた木下恵一さんを外部講師に迎え、高度な演奏表現を追求。技術の向上とともに、同校の校訓である人を大切にする「愛人」精神を演奏活動に落とし込み、互いを尊重し合う信頼関係を築き上げていった。これが今回の「金賞・代表」という結果につながっていると芝副校長は32年の歩みを感慨深く振り返る。

 「最初は手探りの運営だった部が、今や自ら考え、高みを目指すまでに成長した。その成長の歩みは確かな歴史」と目を細めた。

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