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横須賀・三浦 文化

公開日:2026.10.27

小栗忠順と横須賀製鉄所 「歴史の再評価に期待」             講演会で郷土史家の山本氏

  • 「歴史の再評価に期待」 (写真1)

  • 県立図書館で開かれている小栗にまつわる企画展示。来年3月10日まで

    県立図書館で開かれている小栗にまつわる企画展示。来年3月10日まで

 横須賀製鉄所(造船所)の建設など、近代日本の礎を築いた人物として知られる小栗上野介忠順の功績を文献から辿る講演会が10月25日、横浜市西区にある県立図書館で開かれた。約40人の参加者があり、小栗が辣腕を振るった幕末動乱期の事情に明るい郷土史家で横須賀開国史研究会会長の山本詔一氏=写真=が講師を務めた。

 山本氏は小栗について、「教科書には登場しないが、明治政府の近代化政策の青写真を描いた」と高く評価。2027年1月から小栗を主人公にして放送される大河ドラマが、埋もれた歴史認識を塗り替える契機になると期待を寄せた。

 講演では、鼻っ柱が強く、好奇心旺盛な小栗の少年時代の素顔や実務官僚としての有能な働きぶりをエピソードを交えて紹介。黒船来航から日米修好通商条約の批准書交換使節としての渡米、ワシントン海軍工廠での見聞が後の横須賀製鉄所の建議へと繋がっていく歴史の流れを紐解いた。

 製鉄所がもたらした庶民生活の変容にも着目。製鉄所が完成するまでの経過を残す「記録写真」、労働時間の導入とこれを徹底するための「遅刻」という罰則、7日に1度を休息日とする西洋式休日制度など、近代社会の常識が横須賀から始まったことを伝えた。

 会場からは「日本を大変革させた歴史的な出来事が横須賀で繰り広げられていたことがあまり知られていないのはなぜか」との質問もあった。これに対して山本氏は、

「日露戦争に勝利した際、旗艦『三笠』を率いた東郷平八郎元帥は、造船所の建設が勝利の要因であったとする発言をしているが、全国的な評価の高まりには至らなかった」と説明。「戦後教育の中で、造船所と軍の結びつきが敬遠される風潮があり、語られてこなかったことも原因ではないか」と見解を述べた。

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