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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2026.10.23

美術家として廃材を用いた作品を手掛ける 丸山 純子さん 横須賀市吉倉町在住 50歳

  • 丸山 純子さん (写真1)

素材に宿る力 見つめ続ける

 ○…レジ袋を花びらに見立てた花畑や、ストッキングと木材を人間の骨と皮になぞらえたオブジェなど、身近な素材を用いた作品を手掛けている。横須賀美術館で会期中の個展では、素材に宿るメッセージを作品にし、生命の力強さを伝えている。

 ○…美術の道を選んだきっかけは、高校時代のアメリカ留学。言葉が通じず、慣れない日々の中、ふさぎ込んでいた。唯一没頭できたのは絵を描くこと。言葉では交流が難しかったドイツ人の友人と、絵で心を通わせた。その経験から、美術による言葉を超えたコミュニケーションの可能性を実感。日本の大学で学び直した後、再び渡米し、ニューヨークの大学で彫刻を専攻した。そこで出会った師の影響で素材自体に関心を持ち、日常的なものを作品に取り入れるようになった。

 ○…今回の目玉となる作品群「骨と皮」シリーズの背景には、パーキンソン病を患う母の存在がある。病気の進行でやせ細ってしまった母だが、自分と同じように、絵を描くときだけは湧き上がる生命力に満ちていた。その姿に心を揺さぶられ、作品のモチーフに。「皮」を表現するストッキングは工場の不良品を買い取り、「骨」を表す木材は解体業者から譲り受けた。食用廃油から手作りした石鹸で表面を加工し、生活の痕跡が残るリアルな質感を表現。衰えの中に確かに息づく活力を宿した。

 ○…創作を続ける理由は「前向きになる方法だから」と真剣なまなざし。廃材を新たな作品へと生まれ変わらせる手法には、アートを通じて再生してきた自身の経験が重なる。「見た人に少しでも前向きな気持ちを持ち帰ってほしい」。素材に新たな命を吹き込みながら、見る人の心にも希望の種をまいていく。

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