逗子・葉山 トップニュース社会
公開日:2026.01.01
元気なまちづくり推進
桐ケ谷市長、2026年を語る
新年の幕開けにあたり、本紙は桐ケ谷覚逗子市長に恒例の新春インタビューを行った。2期目の最終年を前に、昨年1年の成果と2026年の展望を聞いた。(聞き手=本紙編集長・香西孝哉)
――「子育てするなら逗子」について、昨年の具体的な成果や反省点をお聞かせください。
「子育て支援の大きな成果として、市立小中学校全8校への支援教室を設置しました。一昨年にスタートし、今年度は残りの4校に設置が完了しました。これは、不登校対策にもつながるもので、教室以外にも先生がいて、学校に行きづらい子どもでも学びの継続ができるよう、市の独自予算も活用して進めました。一方で、不登校の問題は非常に大きく、現在活用している学習支援施設『スマイル』での居場所づくりだけではカバーできない、外に出ることすら難しい子どもたちへのアプローチが課題です。『スマイル』を拠点としつつ、今年は特に保護者が相談できる場所としての機能も試みました。初めての勉強会には20数名の参加があり、保護者の孤立を防ぐことの重要性を再認識しました。この問題は、一つのパターンで解決できるものではありません。町全体で子どもたちを支える体制をどう作るか、教育支援センター『なぎさ』のような、行政の施設も活用しながら、画一的ではない、手探りでの取り組みを継続していく必要があると考えています。様々な状況の子どもとその家族を町全体で支える体制づくりが重要です」
交通課題の解決目指す
――「いくつになっても元気で安心な街」の実現に向けた取り組みはいかがでしょうか。
「高齢になっても元気に暮らすためには、交通手段の確保が欠かせません。免許返納後も生活が維持できる交通システム確立のため、今年度から交通事業者や市民も参加する地域公共交通活性化協議会で検討を進めています。12月には計画を策定する予定です。私自身、職員と共に全国8カ所ほど視察を重ねましたが、逗子の事情に当てはまるモデルはありませんでした。逗子市内はバス路線が多い一方で、バス停から自宅まで急な坂道という地域も多く、地域の状況に合わせた検討が必要です。この協議会で、高齢になっても生活が維持できる、逗子版の『暮らしに必要なもの』を導き出し、暮らしやすいまちづくりにつなげたいと考えています」
――住み心地の良いまちという視点では、東逗子駅前用地活用事業の休止や総合的病院の誘致断念といった、方針転換がありました。この総括について聞かせください。
「東逗子事業の休止については、大変申し訳なく思っています。市民の皆様にもワークショップで参加いただいたにもかかわらず、結論から言えば、浄水管理センターの更新や消防分署の再整備といった、インフラ整備を優先せざるを得ないという判断に至りました。特に小坪分署については、7月の津波警報の際、消防・救急車両が避難するという事態が起きました。消防・救急活動を円滑に行うため、津波対策として、現分署の場所から、より安全な市営住宅跡地への移転を急ぐ必要があります。インフラの安定なくして、将来の安定した行政運営はありえません。限られた財源の中で、将来的に立ち行かなくなるリスクを避けるため、一旦休止しすることといたしました。また、総合的病院の誘致断念についても、40年来の市民の強い願いであったことは承知しています。しかし、近年、病院経営を取り巻く環境は激変し、非常に厳しい状況です。さくらネットなど、三浦半島で広域での地域医療圏として整備が進む中で、あえて逗子市が単独で救急医療を含む総合的病院を誘致することは、現実的ではないと判断しました。市民も加わった検討会の協議の結果、『逗子市なりの医療体制を作るべき』との報告をいただきました。逗子市は人口1万人あたりの診療所数が県下トップであり、この診療所と総合病院との連携、『かかりつけ医制度』の強化こそが、逗子における安心できる医療体制につながると考えています。今後は、行政が橋渡し役となり、若い世代を含めた市民が『かかりつけ医』を持てる仕組みづくりに取り組んでいきます」
――「地球環境を守り安全な街」のテーマについて、CO2削減や防災への取り組みはいかがでしょうか。
「CO2削減については、ブルーカーボン事業を模索しつつ、市民一人一人の意識改革を重視しています。大きな工場がない逗子市では、市民の行動が削減に直結するためです。学校教育の場でも、子どもたちを通じて家庭にも意識を広げることに注力しています。この学校教育の重要性は、7月の津波警報発令時に、ある小学6年生の児童が『学校で教わったから逃げなきゃだめだよ』と祖母を促して避難したというエピソードからもうかがえます。子どもの頃からの防災教育が、いざという時に命を救うということを実感しました。また、津波避難訓練についても、一昨年よりもさらに臨場感と緊迫感をもって実施した成果が警報発令時に機能しました。訓練の大切さを再認識した出来事でした」
――海水浴場の時間延長やイベント実施については、ルール違反が課題となりました。今後の検討会の進め方についてお聞かせください。
「逗子市の海水浴場は、道路を挟んですぐに住居がある特異なケースです。そのため、海の事業者の意見だけでルールは決められず、地域住民との合意形成が何よりも重要です。事業者側と住民側、どこに落としどころを見つけるか。手間はかかりますが、逗子ならではの、話し合いを繰り返し続けるべき課題です。事業者側でもルールの徹底を図ろうとしていますが、最後まで気を緩めずに運営していくことが求められます」
――2期目の最終年を迎えますが、現状での「やり残し」や新年で成し遂げたいことは何でしょうか。
「常に考えているのは、限られた財政力の中で、どう優先順位をつけ、持続可能な行政運営をしていくかということです。目先の人気取りではなく、将来にツケを残さない行政運営を徹底します。その中で、次年度に何としても方向性を出したいのは、市民の暮らしに直結する交通問題です。しっかりと『逗子版』の解を見つけたい。また、若い世代を含め『住みたい』と思ってもらえるよう、駅前周辺の建築規制を一部見直すなど、住宅供給を促す政策も進めていきたい。しかし、何よりも逗子市の最大の魅力、そして『住み心地』を支えているのは、『人の良さ』だと確信しています。この『人々の温かさ』が、逗子での暮らしの満足度を高めてくれています。また近隣住民からも要望があった渚マリーナは、そこでの収入で維持・管理が可能と考えられるので、今後議会の承認を得たうえで、取得の手続きを進めていきたいと思います。海洋観光・レジャー・教育に加え、逗子海岸の環境・景観維持、海上保安の拠点として親しまれる施設にしていきたい」
――市民へのメッセージをお願いします。
「市民の皆様には、この美しい逗子を『好き』だと感じ、日々の暮らしに満足していただけるよう、これからも一生懸命努力してまいります。新しい年も、『人の温かさ』を大切にしながら、皆様と一緒に、元気なまちづくりを進めていきたいと考えています」
ピックアップ
意見広告・議会報告
逗子・葉山 トップニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!












