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公開日:2026.04.10

鈴木家住宅主屋 国登録有形文化財へ 逗子市内建造物9件目

  • 鈴木家住宅主屋と鈴木さん

    鈴木家住宅主屋と鈴木さん

  • 玄関の格天井

    玄関の格天井

  • 国登録有形文化財へ (写真3)

 逗子市久木3丁目の鈴木利幸さん(54)が所有する寄棟造桟瓦葺(よせむねづくりさんかわらぶき)の家屋が国登録有形文化財に登録される運びとなった。国の文化審議会が3月26日、文部科学大臣に答申した。登録が決定すると逗子市内の国登録有形文化財(建造物)は9件(6カ所)になる。

 同住宅は鈴木さんの祖父・久義さん(故人)が建てたもので1948年に完成した。もともと鈴木家は旧柏原村(現在の池子の森自然公園緑地エリア付近)にあったが、41年8月に旧日本海軍の弾薬庫建築用地として接収され、強制移転を命じられた。当時、村には12軒が暮らしており、その内6軒が現在の久木の地に集団移転を余儀なくされた。

 他の家が元の家を解体・移築をする中、鈴木家は旧家の材料を用いながら新たな意匠で新築した。利幸さんは「祖父は町議会議員だったこともあり、人が家に集まることも見越して玄関を大きくしたり、部屋をつなげて大広間として使える間取りにしたのだと思います」と話す。

 建物は平屋で床面積は205・81平方メートル。玄関脇に和風の客間を設け、中廊下の南に座敷を並べ、奥に離れを配する。差鴨居(さしがもい)や大黒柱への移転前の旧材の転用、一般住宅には珍しい、格縁を格子状に組んで板をはめ込んだ格天井(ごうてんじょう)、障子の桟の「猿頬面(さるぼおめん)」といった細工、床柱に銘木を用いた点などが評価された。

文化活動の場に

 文化財登録のきっかけは、神奈川県内の歴史的建造物の保全活用に取り組む「かながわヘリテージマネージャー協会」(現・一般社団法人かながわヘリテージ)からのアプローチだった。

 戦時中に建てられたもので、建造物としては古くはないが、時代背景を考えた時に「よくこれほどお金と労力をかけられた。ここに移転してきたという経緯自体も由緒として伝える価値がある」と称された。

 鈴木さんは「住み続けていると一般の方に公開することは難しいので、ゆくゆくは、日中はサロンのように使うとか、撮影場所や、お茶など和の文化活動の場として活用するなどして、この価値を後世につないでいきたいと考えている」と展望を語った。

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