逗子・葉山 人物風土記
公開日:2026.07.31
ALS患者やその家族を支援する(一財)すこやかさ ゆたかさの未来研究所代表理事を務める 畠中 一郎さん 逗子市桜山在住 68歳
前進の決意、生き様で示す
○…それはまさに青天の霹靂--。5年前、足の違和感から難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された。「まさか自分が」。絶望的な思いの中、「世のため人のためになる新たな挑戦で、自分の存在意義を再確認したい」。発症翌年、「すこやかさ ゆたかさの未来研究所」を設立。「寄り添う」「支える」「乗り越える」の3つのミッションを掲げ、患者訪問や救急車を改造した車両の無料貸し出し事業などを精力的に展開している。
○…当事者となったからこそ見えてきた社会課題もある。「障がい者と健常者の間には心理的な壁があり、思いやりがあっても手を差し伸べるのに躊躇してしまう」。そこで、右手で左胸を叩いて思いやりを伝えるハンドサイン「サンパ」を考案。市内小学校などでの講話を通じて普及を進め、今では街なかでサインを送ってもらえるまでに広がりを見せる。
○…9月5日(土)には、収益が同財団に寄付されるチャリティーコンサートが逗子文化プラザで開催される。かねてより親交の深いソプラノ歌手・河原真実さんらが企画したもので、当日は自身も登壇し、トークセッションを行う。
○…ALSは、徐々に全身の筋肉が動かなくなる難病。人により症状の進行度が異なり、数年で呼吸困難に至ることもある。現在、外出する際は電動車いすだが、自宅では自らの足で立ち生活を送る。趣味は音楽。長年連れ添う夫人と共にクラシック音楽や楽器演奏を嗜む。病に向き合う中で生まれた独自の人生観がある。人は大きな環境の変化や試練に直面したとき、思いがけない強さや適応力を発揮する。「たとえ解決できなくても、前向きに捉え、きちんと向き合う。それが私の生き様になっていく」。
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