逗子・葉山 人物風土記
公開日:2026.08.28
「葉山 音の文化交流祭」を主催した 鬼無 亮仁さん 葉山町下山口在住 43歳
温かな居場所、音で育む
○…言葉や国境を越え、誰もがひとつになれる場所を──。当日、ステージにはバルト三国のひとつ・リトアニアから招いた吹奏楽団をはじめ、地元の葉山中学校吹奏楽部の中高生らが立ち、フィナーレでは息の合った共演を披露。客席には子どもから高齢者、ハンディキャップを持った福祉施設関係者まで幅広い人々が集まり、会場全体が温かな響きに包まれた。
○…香川県出身。上京して音楽大学で本格的に声楽を学んだ。大きな転機は2014年、リトアニアで4年に1度催される「歌の祭典」を訪れたこと。何万人もの人々が歌で心をひとつにする姿や、厳しい占領の歴史の中で自国の歌を心の支えにしてきた人々の想いに深く心を動かされた。「日本の伝統歌を聞かせてほしい」。その問いに応えられず、ハッとさせられた。「自国の文化を大切にし、互いの歌を響かせあうことこそが本当の平和への一歩」と確信。現地の楽曲を持ち帰り、日本語詞を交えながら大切に歌い続けてきた。
○…以来、リトアニアとは公演などを通じた国際文化交流を展開。相州葉山一色木遣保存会にも所属し、代表を務める民族音楽合唱団「AKchoir」では、木遣りをゴスペル風に歌う活動を続ける。同団体は、リトアニア国会での演奏や文化大臣表彰を受けるなど、両国の架け橋として信頼を寄せられている。
○…多忙な日常の合間には、葉山公園で愛犬と散歩を楽しんだり、逗子・葉山エリアのお気に入りのパン屋を巡ったりするのが大切なリフレッシュのひととき。「歌や文化でつながる平和な未来を次の世代へ手渡したい」。その根底にあるのは、草の根の交流がもたらすぬくもりへの強い確信だ。
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