4月1日付で藤沢市の教育長に就任した 岩本 将宏さん 辻堂在住 60歳
教育者の信条胸に
○…コロナ禍で3カ月にも及んだ一斉休校。子どもたちの学習の遅れや生活リズムをどう取り戻すのか、心のケアは―。週明けからの段階的な再開を前に、学校現場には課題が山積する。舵を取る自らもこれまで刻々と変わる状況に奔走。再開に向けては「学校での生活様式も変わらざるを得ない。子どもたちに負担がないよう環境を整えていきたい」と話す。
○…前任は片瀬中学校校長。数学教師としても長年教鞭をとってきた。教育者としてのモットーは「子どもの信頼に足る人であれ」。「いかに立派な言葉でも、根底に信頼がなければ響かない。だから自分を磨いていかないと」。そのためには様々な人生経験を積むべきだし、趣味に打ち込んでもいい。管理職としても日頃、人としての在り方を説いてきた。「自分がピカピカに磨かれている訳でもないので、あまり偉そうなことは言えませんが」。そう付け加えていたずらっぽく笑う。
○…若かりし日に夢見たのはプロ野球選手。「先輩や同級生で何人かプロに入ったが、自分とはモノが違った」。いつしか教師になって野球の指導者になることが人生の目標に。採用後は善行、羽鳥、村岡、大庭中で野球部顧問を務めた。型に当てはめるのではなく、どうすれば選手の個性が生きるか。「子どもとの向き合い方や教育への考え方はその経験が礎になった」と振り返る。
○…自らの役割として、ポストコロナに向けた「土壌づくり」を挙げる。その一つがICTを活用した「オンライン学習」の推進。全国的な普及が進む中、市も環境整備を急ぐ。「教育機会の格差が生まれないよう着実に進めていく。確かにコロナ禍による弊害は多いが、従来の体制を見直す好機にもなる。前を向いていきたい」
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