戻る

藤沢 トップニュース社会

公開日:2026.01.01

日本大学馬術部
手綱が結ぶ、揺るぎない絆
全日本15連覇「人馬一体」

  • 障害物を乗り越える練習をする奥田さん

    障害物を乗り越える練習をする奥田さん

  • 自身が担当する馬と心を交わす砂川さん

    自身が担当する馬と心を交わす砂川さん

 今年は午年。日本大学馬術部(亀井野)は、昨秋行われた「全日本学生馬術三大大会2025」に出場し、障害馬術で団体3位、馬場馬術と総合馬術で団体優勝という成績を収め、三種目総合優勝15連覇という偉業を成し遂げた。女子主将の奥田記枝さん(4年)と砂川成弘さん(3年)に、普段の練習内容や競技のパートナーである馬との関係性などを取材した。

 冬空を切り裂くように力強い蹄音が静寂の馬場に響きわたる。

 現在、同部には約30人の部員が所属。40頭の馬をそれぞれの担当部員が飼育している。

 日が落ちて辺りが暗くなると馬が怖がるため、活動は朝がメイン。特に冬場は朝早く、馬の給餌が午前5時ごろから始まり、部のミーティング、厩舎の清掃や馬のケアを経て、個人練習を午前中にこなす。大学の講義を終え、帰寮した後にも馬のブラッシングなどを行い、一日の大部分を馬とともに過ごしている。

 そのうち8頭を担当しているのが奥田さんだ。良好な関係を築くことを大切にし、世話や練習に取り組んでいる。奥田さんは一頭一頭の性格やその日の調子によって接し方を変えたり、ほめる時は名前を呼んで好物を食べさせてあげたりするなど愛情を込めて接している。馬たちは足音や名前を呼ぶ声で奥田さんが来たのを判別できるほど懐いているようだ。

 「馬は家族や友達のような存在で、自分とは相思相愛の関係」と奥田さんはほほ笑む。

一頭一頭に寄り添う

 砂川さんはこれまでサッカーや陸上などさまざまなスポーツを経験してきた。「飽き性で」と語るが、小学3年生から始めた馬術だけは飽きることなく続けてこられたという。「馬がかわいくて。一頭一頭、表情が違う」。部内では、同大会でパートナーを務めた桜龍(13)など10頭の世話を担当。「馬も生きているから嫌な気分の日もある」と、思うように動いてくれない時は違う方法を探し、一緒に寄り添う。毎日接しているからこそ「今日は元気そうだな」など表情から調子が分かるといい、言葉を交わせない分、気温の変化や空気の循環などに気を配り、繊細な馬の体調管理に努めている。

 「試合でいい結果が出ると、これまでの練習や接し方が間違ってなかったなと実感できる」とやりがいを語る砂川さん。

 学業との両立は多忙を極めるが、2人は競技の魅力について「動物と一緒に競技ができるところ」と口をそろえる。「自分が失敗したところも、馬が経験でカバーしてくれる。助けて、助けられる関係なんです」

 言葉の通じない相手を思い、心を通わせる。そんな毎日の積み重ねがあるからこそ、困難も「乗り越えるしかない」と前を向く。15連覇という栄光を支えたのは、手綱を通じて結ばれた揺るぎない人と馬の絆だった。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

藤沢 トップニュースの新着記事

藤沢 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS