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藤沢 社会

公開日:2026.07.31

音と光で新たな”聴こえ” 県聴覚センターで演奏会

  • プロが奏でる音に反応した光がスクリーンに映し出された(上)、参加者に手渡されたオンテロープ・グラス(下)

    プロが奏でる音に反応した光がスクリーンに映し出された(上)、参加者に手渡されたオンテロープ・グラス(下)

 聴覚に障害のある人や聞こえにくさのある人に、新しい形で音楽の魅力を届ける全国初の演奏会「新しい“聴こえ”のためのつどい」が26日、神奈川県聴覚障害者福祉センター(藤沢)で開かれた。会場には50人が詰めかけ、最新テクノロジーによる音の視覚化とプロの弦楽四重奏が織りなす響きに耳と目を傾けながら酔いしれた。

 文化庁委託事業「障害者等による文化芸術活動推進事業」の一環。NPO法人神奈川県中途失聴・難聴者協会の開催主催で(公財)新日本フィルハーモニー交響楽団とともに企画された。会場には手話通訳や要約筆記のスクリーンが設置されたほか、補聴器や人工内耳へ直接音を届けるヒアリングループといった情報環境が整えられた。

 見どころは「音を光として表現する」という試みだった。(株)オンテロープ(東京都新宿区)が開発した音を虹色の光に変換して見られる眼鏡型デバイス「オンテロープ・グラス」の技術を活用。音の高さや大きさ、リズムに合わせてリアルタイムで変化する光の映像が前方の大型スクリーンに映し出された。

 ステージには、同楽団員4人が登場。モーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』や映画『ニュー・シネマ・パラダイス』メドレーなど名曲を披露した。

 演奏が始まると、繊細な弦の響きと同調するように光の色や明るさが変化。参加者は音の振動と光の躍動を全身で受け止め、拍手を送っていた。

 48歳で中途失聴になった佐藤勝男さん(78・大庭在住)は「音を目で見る発想はなかった。高い低いが分かるだけでも面白い」、4歳から難聴で普段から補聴器を使用している中森章さん(77・海老名市在住)は「生演奏の場に行く機会はなかったが、十分楽しめた」と感想を述べた。同協会の石川美奈理事長は「こうした新たな取り組みを県域に広げ、音楽の魅力を伝えたい。今後は大きなホールなどでの開催も視野に入れたい」と展望を語った。

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