藤沢 人物風土記
公開日:2026.09.11
江ノ島太鼓まつりを初開催する「湘南太鼓研究会えの」の代表 鈴木 海さん 片瀬在住 31歳
太鼓でつなぐ、街と心
○…地元の活気を呼び起こそうと、「江ノ島太鼓まつり」の初開催へ向けて準備を進める。東日本大震災の被災地である福島県大熊町や浪江町、姉妹都市の長野県松本市などでの演奏経験を通じ、祭りや太鼓の音から伝わる街づくりのエネルギーと人々の気概を肌で実感してきた。「藤沢でも太鼓の力で盛り上がりを増やしたい」。涼しげな表情の奥には、開催に向けた地域への熱い思いや情熱が燃える。
○…太鼓との出会いは19歳、大学のサークルだった。それまで音楽経験はあまりなかったが、先輩が披露する姿と音の表現力に魅了され門を叩いた。そこで知ったのは、大人数で音を合わせる難しさと奥深さ。卒業後は「外での経験を太鼓に生かそう」と一度一般企業へ就職した後、脱サラし都内の太鼓集団でプロとしてデビューした。新型コロナ禍で公演がない苦境でも、2カ月の山ごもり合宿などで耐え忍び腕を磨き、地元である湘南で独立を果たした。
○…座右の銘は詩人・坂村真民の「念ずれば花ひらく」。日常的に詩や俳句に親しみ、少ない言葉に凝縮された人生の深みや美しさから学びを得ている。また「太鼓にはゴールがなく、突き詰められる」との信念も持つ。ソロ演奏時には「無心となり、宇宙と一体化する」ような、ゾーンに入る瞬間があるという。「そこに良い悪いはなく、リズムが考えなくても出てくる」。極致の瞬間を増やそうと、己の音に向き合う。
○…かつてはサッカーに10年取り組み、スキーやサーフィンなど多趣味だったが、「太鼓1本でいく」と決意し、趣味の断捨離を行った。「常に学びを得て成長したい」。潔い覚悟を胸に、太鼓の響きで人々の心を揺さぶり、街に新たな希望の花を咲かせていく。
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