藤沢 経済
公開日:2026.09.18
ドラクエ開発の中西さん 「ゼロから創る世界」 ゲーム産業の心得語る
国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの開発に携わった中西一彦さんが10日、藤沢商工会館ミナパークで講演した。奉仕団体、藤沢西ロータリークラブ(松尾英明会長)のオープン例会で、市内外から100人以上が出席。「ゼロから、世界を創る。〜創業・成長・挑戦の40年〜」と題し、ゲーム業界の黎明期から現在に至るビジネス展開や起業家精神の重要性を語った。
人・資金・信頼
中西さんは電気通信大学在学中の1984年にゲームメーカー、(株)チュンソフトを設立した。ドラクエ初期作品I〜Ⅴの開発に携わり、1500万本を販売。発売日には5kmほどの行列ができるなど社会現象を巻き起こし、日本のゲーム産業の礎を築いた。
講演では、創業期に事業を加速させる要について「人、資金、信頼の3つがそろうことで会社は前に進む」と回想。受託開発中心のビジネスモデルから、自社で販売まで担うパブリッシャーへの転換や出版事業への進出など事業領域を広げてきた歩みを振り返った。
失敗と挑戦
一方、過去の失敗事例も明かした。30代で手がけた北米市場への進出挫折や韓国企業との合弁によるオンラインゲーム事業の撤退に触れ、「経営者は重心の位置を誤ると転倒する」と述べつつも、「失敗の数なら誰にも負けない」と挑戦を続ける大切さを訴えた。
現在は複数の企業に関わり、若手クリエイターの育成や海外展開支援、異業種マッチングに尽力。「人は情報ではなく物語で動く。経営も同じで、企業のビジョンを物語にすることで波及効果が生まれる」と語り、自らの知見を後進に還元しながら業界全体を支えていく意欲を示した。
後輩の新作江の島舞台
後半には中西さんの後輩で、ゲームプロデューサーの設樂昌宏さんも登壇。補助金を活用して江の島を舞台にした没入型サスペンスゲームのプロトタイプを開発していることを明かした。VRやAR技術を駆使し、地域資源とエンタメを融合させた新たな観光・体験型事業としての展開を視野に入れながら、地元の経営者らに支援と協力を呼びかけた。
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