JR大船工場の跡地を中心に再開発計画が進む深沢地区。「市が進める計画では、地域独自の歴史や景観を活かした魅力あるまちづくりができない」として、住民らがこのほど、「洲崎陣出の杜の会」(徳増元治代表)を発足させた。同会では地域における再開発事業への関心を高めるとともに独自のまちづくり案を市や事業者に提言することを目指している。
「洲崎陣出の杜の会」の発足総会は3月2日、深沢学習センターで行われた。当日は30人以上が出席し、代表・役員の選出や会の名称、活動趣旨などの議案が承認された。
同会は、深沢地区のJR大船工場跡地を中心とした約32・6haの土地で進む再開発事業に対し、独自の「市民案」を提案することを目指している。
この場所は1942年に横須賀海軍工廠が接収。戦後は国鉄大井工場大船分工場として稼働したが、2006年にJRが工場機能を廃止した。これを受け鎌倉市は、周辺の土地取得を進めるなどして同地区の一体的な再開発を進めている。
同会会員の多くは、土地利用計画の策定にあたって設けられた深沢地区事業推進委員会に参加するなど、計画に提言を続けてきた。しかし市が「健康生活拠点・深沢」を掲げてまとめた将来像などは「全国どこにでもある再開発のフォーマットを深沢にもってきただけに感じた」という。
そこで有志らが集まり、昨年5月頃から勉強会を開催。新田義貞と赤橋守時が激戦を繰り広げた洲崎古戦場や富士山が望める眺望など、歴史的遺産や現在の街並みとの調和といったアイデアをまとめ「文化・個性豊かなまち・洲崎陣出の杜」構想をまとめた。
今後は集会の開催やアンケートの実施、署名活動などを通じて地域住民の再開発事業に対する関心を高めるとともに、「陣出の杜構想」をベースに独自の市民案をまとめ、市や事業者に提案する考え。徳増代表は「再開発されるのは先祖伝来の土地。100年先を考え、子や孫に受け継ぐのにふさわしいまちづくりを地域全体で考えたい」と話している。
同会への問い合わせは【電話】0467・31・4379徳増代表、【メール】suzakijindeno
mori@gmail.com、【URL】https://www.facebook.com/fukasawasuzakiへ。
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