鎌倉ライフガードで海水浴場のマネジャーを務める 林 亮太さん 逗子市在住 35歳
誰も悲しまないように
○…市内3カ所に開設される海水浴場で、監視業務にあたる鎌倉ライフガード。約60人のライフセーバーが在籍し、今年は監視所のマネジャーとして現場を支える立場を担う。「誰も悲しむことがなく、海での思い出をつくってもらえるように」と話し、夏本番に向けて気を引き締める。
○…部活やアルバイトをしていなかった大学1年の夏、携帯電話でライフセーバー募集のページを見つけた。体を動かすことが得意だったので、すぐに応募。しかし、いざ現場へ出ると、泳力に加えて波や地形の把握、さらには来場者やメディア、行政への応対と求められることが多く、「1年目は半人前だった」と、先輩の後を必死に追いかけた。
○…経験を重ねるにつれて、水難事故が減らず、原因も年齢も同じ傾向なことに、やるせない思いを抱くようになる。「要救助者を引き継ぐ先でも役に立ちたい」と大学卒業後には横浜市消防局に入庁。5年間の在籍後、鎌倉のSUGATA(株)に転職し、ヨガスタジオの運営や子どもたちが海で遊ぶプログラムに携わる。今年4月には独立し、企業や学校、自治体に向けてAEDの導入支援や講習会を自ら開催。「海水浴場に来る人、来る手前の人にも安全に対するアプローチを」と思いにぶれはない。
○…1児の父で、休日には和賀江島で家族で魚取りを楽しむことも。こどもの日には、漁師たちが子どもの名前の入った大漁旗を船上に掲げてくれて、「子どもの成長を気にかけてくれる」と地域の優しさを感じる。自身は4人兄弟の末っ子で、「引っ込み思案で我が強くない方」と言うが、ライフガードでは命を守る最前線に立ち、後輩たちに厳しく接する。培った経験を生かし、海の安全を守っていく。
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