中井町の副町長に就いた 加藤 幸一郎さん 中井町岩倉在住 60歳
町の仕事の本分胸に
○…定年後は行政マンから一町民の立場で町づくりを応援できれば。そのつもりだったが、予定が変わった。4月1日付けで中井町の副町長に就任した。「しっかりと、町民の皆さんが住んでよかったと思える町づくりを進めていきたい」。奇をてらうことなく、実直に抱負を語る。その根底にあるのは、自治体職員として長年携わってきた、住民生活と密接した町の仕事の本質だ。
○…中井町出身。農業を営む家の長男に生まれた。小学2年の時に父が他界したこともあり、就職は身近な所でと考え、1973年に中井町役場へ入庁。水道課へ配属された。時は高度経済成長期。町のインフラ整備が進むなか「当時は簡易水道を使っていた」と振り返る。連絡を受けて漏水の現場に駆けつけることもたびたびあったという。
○…日々、業務に勤しむ若き加藤職員。ある時上司から言われた。我々の仕事は何のためにやっているのか。365日、町民が蛇口をひねればいつでも水が出るようにすることだ。目の前の水漏れを止めることに懸命だった身にとっては、今でも忘れられない言葉となった。「水道条例に大事なことがちゃんと書いてあるのに、入りたての頃は読んでいなかった」と苦笑いして打ち明ける。その後は総務、建設、企画、まち整備などを担当した。
○…人や地域、仕事においても「つながりが大事」という。これまで庁内での連絡はできるだけ電子メールを使わず、直接伝えるようにしてきた。「部下の顔を見て話せば、体調はどうか、仕事の調子はどうか分かる。こっちも安心するしね」。さり気ない気配りをみせる。
○…少子高齢や人口減少、中心市街地の活性化など自治体が抱える課題は多い。「厳しい時代だが、町の魅力を発信し、スピード感をもって取り組んでいく」。同級生の杉山祐一町長とは中学時代、バスケットボール部で共に汗を流した仲。
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