大磯特産の大玉柿が収穫期を迎えている。町内の農園では秋空の下、ずっしりと実った橙色の果実が枝をたわませている。甘みたっぷりで高品質の大玉柿はファンも多いが、生産量が少ないため市場には出回らず、生産農家の直売や宅配が中心となっている。
大磯で大玉柿づくりが始まったのは40年以上前のこと。他県の大生産地との差別化を図るため、生産者たちが県の園芸試験場とともに大玉で味の良い果実を作る研究を重ねてきた。摘蕾(てきらい)・摘果といった作業を一つひとつ丁寧に行い、厳選した果実に養分を集中させることで、通常の柿の1・5〜2倍近くの大きさに育てる。
太鼓判の出来
今年は夏から秋にかけて適度な暖かさと雨量があり、台風も来なかったため「例年に比べて豊作。秋になっても暖かさが続いていて、やや色づきが遅れているが、今年も大きくて甘みたっぷりの柿が実った」と、地元生産者でつくる大磯町落葉果樹研究会の鈴木教夫会長(鈴木農園)=寺坂=は太鼓判を押す。
品種によって収穫期が異なり、11月はシャクシャクとした食感と甘さが特徴の「太秋」のシーズンが終わって、とろけるような柔らかさと甘みのある「富有」が食べごろを迎えている。販売は11月末頃まで。生産農家の連絡先は町のホームページで確認できる。
最盛期には20軒近くが栽培していた大磯の大玉柿だが、生産者の高齢化が進み、現在の生産農家は3分の1程度になっている。鈴木会長は「脚立を使わなくても作業ができる新しい栽培方法や、大玉柿に関心を持って新規就農した若い人もいる。そうしたものを受け入れる体制を作って、大磯の大玉柿の生産と継承に取り組んでいきたい」と話している。
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