ミュージックブレイク！ 岡本暁子（ピアニスト）第３回目「イタリアの思い出【1】」
ヨーロッパ内陸部にあるオーストリアは８カ国と隣接しており、気軽に列車で隣国へ移動できます。屋根の色や壁の色、家の形などが変化し、見聞きする言語が変わっていく国境越えは、いつも心躍る体験でした。
ザルツブルグの生活にも慣れた頃、私はコンクールを受ける為、初めてイタリアに行きました。ユーロスター・イタリア（新幹線のような高速列車）に乗り、目的地に向かっていると列車が突然止まりました。乗っているイタリア人たちが、大声で何かを話始めましたが、私は何が起こったのか分からず、何度も繰り返される車内アナウンスもイタリア語のみ。隣に座っている上品そうな初老の紳士が、イタリア語を話せない私に気が付き、近くにいた若者グループが車内で英語を話す人を探しにいってくれました。
やっと見つけてきてくれた英語を話せるイタリア人によると、線路沿いで第２次世界大戦中に埋められた地雷が見つかったので、今撤去中でいつになったら列車が再び動くのか全く分からないという話でした。この後の話は次回に続きます。
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