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東光寺 薬師如来 県重要文化財に 貴重な「一日造立仏」と判断

文化

掲載号:2020年3月20日号

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簡素な造りが特徴、右手首から先は亡失している
簡素な造りが特徴、右手首から先は亡失している

 神奈川県教育委員会は3月9日に開催した定例会で、東光寺(秦野市南矢名366)の「木造薬師如来立像」を県指定重要文化財に指定した。市内で同指定を受けるのは今回で6件目。

 同寺の「木造薬師如来立像」は、鎌倉時代の建長8年(1256年)に造られたとされる。寄木造で像高は128・1cm、材質はヒノキ。現在は建て替え工事が進む薬師堂の本尊で、左掌上に薬壺を持つ。1965年に秦野市指定重要文化財に指定された。

 右手首から先は無く、左手首先と両足先、光背と台座は後補とされるが、全体の保存状態は良好。特徴は全体の造りが簡素なものとなっていること。頭髪は渦巻き状の線刻で表現し、目鼻、袖、衣文なども、簡略な彫刻が施されている。表面の彩色も頭髪が黒塗りで、髪際は緑青線、眉・髭が墨書き、両眼白色彩など頭部の一部に限られ、大部分は素地仕上げとなっている。体部分の背面には「建長八年大歳丙辰三月八日」と書かれ、鎌倉時代1256年の造像であると推定されている。

 そうした特色から、県は同像を、病気平癒や雨ごいなど、一刻を争う時に一日で造って供養した「一日造立仏(いちにちぞうりゅうぶつ)」である可能性が高いと判断。近年脚光を浴びる「一日造立仏」に関連する貴重な作例としている。この「木造薬師如来立像」は12年に一度、寅年の御開帳日だけ見ることができる。

 同寺の樋口亮順住職は「なぜ片手がないのかなど所説あるが、この木造薬師如来立像は片手薬師などとよばれ、地元の方から大切にされてきた。現在建設中の新しい薬師堂と合わせ、地域としてこれからも温かい目で見守っていただければ」と話した。

背面には造られたと思われる日付が記される
背面には造られたと思われる日付が記される

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