県立川崎図書館 殿町「特区」に移転へ 黒岩知事が議会で示す
存続・移転問題で揺れていた県立川崎図書館について、黒岩祐治県知事は11日、川崎区殿町に移転させる構想を県議会予算委員会で示した。拠点形成が進む特区・殿町に中核的な支援施設と合わせて整備したい考え。
県立川崎図書館(川崎区富士見2丁目)は自然科学・工業・産業技術の分野に特化した図書館で、各企業が発行する専門誌や論文なども所蔵している。特許取得に必要な情報も案内し、川崎市の産業を支えてきた歴史がある。ただ、土地は川崎市の所有。市の再編整備計画があり、2017年までに移転などの措置が必要だった。
同図書館を巡っては、県が昨年10月に発表した緊急財政対策の一環で学識者らで作る調査会が「県有施設の全廃」という意見を提出し、存続問題も浮上。市民グループや業界団体が存続を求める経緯もあった。県は先月、存続させる方針を示したが、移転先については言及していなかった。
今回、黒岩知事が移転先に示したのが、生命科学や環境分野の研究開発の拠点づくりが進む川崎区殿町地区。県と川崎市、横浜市が進める「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」の1つ。産業支援を行う県の中核的な支援施設を整備し、図書館を設置する考えを示した。
県で特区を担当する地域政策課では「建物になるか(入居の形態にするか)どうかは未定。時期についてはこれから関係団体と話し合って検討していく」としている。
また、川崎市で特区を担当する臨海部国際戦略室では「まだ具体的な連絡は受けていない」としている。
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3月29日