小田急新百合ヶ丘駅 化学テロ想定し訓練 警察、消防、区役所が連携
核、生物、化学兵器によるテロが起きた際の各機関の役割を確認し、有事に備える「NBCテロ対応合同訓練」が今月9日、新百合ヶ丘駅で実施された。消防、警察、区役所の職員らが有事の際の役割と対応を確認した。
NBCとはそれぞれNuclear(核)・Bio(生物)・Chemical(化学)の略。これらの兵器による攻撃に対応する訓練として95年の地下鉄サリン事件や、2011年の世界同時多発テロの発生以降、各地で実施されている。
訓練には神奈川県警(麻生警察署、NBC対応専門部隊)、麻生消防署、区役所、
市の危機管理対策室、同駅の職員ら総勢約100人が参加した。瀧峠雅介麻生区長らも駆けつけ、緊迫した訓練の経過を見守った。
訓練では同駅多摩線のホーム上に倒れている乗客と、直近に放置された液体入りの不審物を駅員が発見し、通報。駆けつけた各機関の職員が不審物をサリンと断定し、化学テロによる重傷者3人を含む4人を救出して搬送するという想定で実施された。会場では消防関係者が化学兵器の被害を受けた人に対し、脈拍の計測や症状の確認などの応急処置を行った。警察は専用の機器を使い危険物質の特定と除去を行い、区役所が近隣の医療機関などに要救助者受け入れの交渉を行った。応急処置と除染作業は専用の防護服を身にまとった署員の手で行われ、同駅の利用者らは興味深そうに訓練の様子を見守っていた。
区内でのNBCテロ対応訓練の実施は2010年に黒川駅で行われたのに続き2回目。
訓練に参加した小林英木麻生消防署長は「近年は政府や公共施設ではなく、不特定多数の一般市民を狙ったテロも増えている。電車内で不審物を見つけた時にはただちに駅係員に通報してほしい」と話していた。
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