柿生地域の歴史と新聞記事収集70年の記録をまとめた「郷土愛という夢」を執筆した 中山 茂さん 片平在住 80歳
変わらぬ「故郷」への思い
〇…昭和21年9月4日付の新聞記事。戦争によって途絶えていた大学野球「早慶戦」復活の記事に胸を躍らせ、小学3年から始まった記事の収集と、禅寺丸柿復興の出来事、そして里山から生まれ変わった川崎フロンターレ麻生グラウンドの話などをまとめた「郷土愛という夢〜新聞記事収集70年 世相の記録とともに〜」を先ごろ発表した。「記事収集が70年で私も80歳という節目の年。時代の移り変わりと地域の歴史、自分にとってどちらも大事な出来事をまとめておこうと思って作りました」。昨年6月からの執筆などを経て完成した1冊を「これを書き上げて良かったと思うよ」と大事そうに見つめる。
〇…現在も暮らす片平が柿生村にあった時代に農家の長男として生まれた。昆虫学者だった叔父との野山歩き、祖父に手渡す朝刊が少年時代の思い出。興味深かった朝刊記事を残していく作業はライフワークとなり、その冊子は今でも自宅敷地にある蔵に保管。「特別に印象に残ったスポーツや政治などの記事だけを集めています。少し処分したけど、歴史に残るだろうと思ったものが今でも3500部以上あります」。
〇…60代から専業農家となったが、地域を愛するが故の活動は今でも現役のまま。柿生禅寺丸柿保存会や川崎フロンターレ麻生アシストクラブでの会長を歴任。「今年からお酒は自粛気味にしたんだけど、これは代々受け継がれてきた農業を続けるのと、色んな会合にきちんと出席するため。郷土への思いを続けるには健康を維持することが大事。ちょっと大げさかな」と笑顔を見せる。
〇…「暮らしのための開発は大事ですがそれで終わり、っていうだけでは寂しい。地域の子どもたちのために良い環境を残し、歴史を伝えていくことが自分にとっての郷土愛だと思います」。都会化された一面と昔ながらの姿も覗かせる地元を愛し、応援し続ける活動はこれからも続いていく。
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