町田市在住の写真家・石川梵さんがこのほど、「フリスビー犬、被災地をゆく〜東日本大震災、写真家と空飛ぶ犬、60日間の旅」を出版した(飛鳥新社)。
愛犬・十兵衛と被災地を巡った写真と文で十兵衛と触れ合うことで和んだ被災者の心や表情が掲載され、これまでの大震災関連の本・写真集とは一線を画す。 石川さんは「ジャーナリストとして震災を取材していくうちに物資を運ぶだけではなく、他にも何かできることはないかと考え、始めたことです」と震災当時を振り返り、フリスビードッグとして、競技会に出ているボーダーコリーの愛犬・十兵衛がショーのような演技ができるだけではなく、天性の明るい性格により、避難所の高齢者や子どもたちに大人気の様子を描いている。「津波で飼い犬を亡くしている子も多く、そういう意味では大きな癒しになったようです」
石川さんは単なる犬のセラピー活動だけではなく、被災地の震災直後からの変遷や起こった事を辿れるドキュメンタリーとして編集した。
「震災の本は読んでみたいけれど、とっつきにくいと感じられる方でも読み易い構成になっております。大人向けの本ですが親子でも読んでもらって震災について語り合うきっかけになってもらえればと思います」
幸せの黄色いハンカチ
石川さんは現在開催中の「山田洋次監督50周年記念展〜半世紀を映画から振り返る」に写真作品などを出展している(西武池袋本店別館2階西武ギャラリー=1月15日(日)まで)。
石川さんは陸前高田市で瓦礫の中で出会った老人から「何か希望の印となるものが欲しい。大漁旗と黄色いハンカチを立てたい」という言葉を聞き、黄色い布を送った。瓦礫の中の黄色いハンカチはその後、石川さんの写真集などに収められ、被災地と山田洋次監督を結びつけることとなった。
監督展では、その写真展をオープニングにし、震災を機に見直されている家族の姿を撮り続けてきた山田洋次の世界を振り返っている。
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