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公開日:2013.05.17

黒木さん看護賞受賞
長年の功績を評価

  • 受賞を喜ぶ黒木さん

 藤沢市湘南台在住の黒木和江さん(60)が神奈川県看護賞を受賞した。1978年に看護師になり、その後、看護教員としても活動、長年の活躍が評価された。同賞には他に9人が選ばれている。

 「自分一人で頂いた賞ではなく、一緒に仕事をさせて頂いた皆さんのお陰。一緒に働けて本当に嬉しかった」と、黒木さんは受賞の喜びを話す。

 県立こども医療センターで看護師としてのキャリアをスタートさせた。その後、看護教員免許を取得し、県立病院付属看護専門学校の専任教員に。知識や経験を磨き続け、県立厚木病院の看護婦長、県立足柄上病院の副看護部長を歴任。現在は、横浜市旭区にある県立よこはま看護専門学校の校長を務めている。

 受賞には特に、2002年から3年間勤めた足柄上病院での活動が評価された。当時、まだ始まったばかりだった病院機能評価事業を受審することになり、黒木さんは準備に1年間奔走した。先駆病院の情報収集や研修会を実施。看護職員をはじめ、医師、薬剤師らと連携を強め、病院機能の自己点検を行うなど、認定へ貢献した。

 黒木さんは「病院の質を良くするために、看護師みんなで一丸となって取り組んだのを覚えている」と振り返る。細かな審査項目が多く準備は大変だったという。その中でも「一人ひとりの力を信じて同じ方向に進むことができた」と語る。

 また専門学校の校長として、看護人材の育成と看護教育の資質向上への貢献も、高い評価を得た。

「喜びは学生の成長」

 新潟県出身。看護師になるのは、中学生で決めていたという。「当時は、女性が自立して生きていくためには、看護師か教員という職業しかなかったので」ときっぱり。

 転機となった出来事がある。夜勤で勤務していた病院に救急搬送されてきた、小学校低学年の男の子。苦しそうな子どもに基本的な処置を施すが、不運にも命を救えなかった。そのとき心に思ったのは「看護師としてもっと何かできることがあったのではないか」という後悔の念。以来、懸命に勉強し、経験を積み重ねてきた。

 先輩として、学校へ通う学生たちに伝えたい思いがある。「心の底から誠実に人と向き合い、相手の気持ちを大事にする」ということ。経験のない学生には、言葉では伝わらない思いかもしれない。「大事にされる環境で育てば自然とそういう人になる。その環境を創り続けたい」と話した。

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