誰もが楽しめるマジックを

　○…地域の子ども会や高齢者福祉施設などのイベント出演、横浜マジカルグループのステージなどアマチュアマジシャンとして幅広く活動する。「後継者育成も重要」と語るように指導者の顔も。原中学校コミュニティ・スクールのサークル「せやマジカルクラブ」のほか、下川井地域ケアプラザの講座でも講師を務める。コロナ禍で対面指導ができなかった時期は動画でレクチャーするなど、工夫をこらしながら指導した。

　○…中学の頃に奉仕活動を行う青少年赤十字に携わり、社会人になっても福祉施設などで物真似や落語を披露するなどボランティアに積極的だった。マジックを始めたのは、昭和の人気奇術師・アダチ龍光さんの舞台を観たことがきっかけ。観客を楽しませる技に魅せられ、マジシャンの扉を叩いた。40年近い活動で大切にしてきたのは、誰もが分かりやすく楽しめるステージ。得意技の鳩出現マジックにこだわるのもインパクトが大きいから。「私の観客は子どもや高齢者が多い。一目で驚ける方が喜んでもらえる」と笑顔で話す。

　○…傘寿が近い今も介護施設で働きながら、マジシャンや野菜作りなど様々な活動に精を出す。暮らしているマンションの交流カフェでの肩書は”店長”。「お喋りも良いけど、せっかく交流するんだからもっと楽しんで欲しくて」と、介護施設で学んだレクリエーションを取り入れながらカフェを盛り上げる。

　○…今の夢は、せやマジカルクラブのステージを公会堂で開くこと。イベントには出演者の倍以上の裏方が必要だとして、仲間集めに力を注ぐ考え。「年齢は関係ない。何事も気持ち次第。今が人生で最も楽しいし、80歳の頃には更に充実しているはず」--。目を輝かせ、そう語る。