スポーツで地域交流を

　○…津軽三味線の演奏に合わせ身体を動かす体操教室を瀬谷区や近隣で10年以上開いている。高齢者にとって聞き馴染みのある音色と、誰でも簡単に取り組める運動内容で好評を博し、開催回数は１００を超える。

　○…教室を始めたきっかけは、地域ケアプラザから津軽三味線の演奏者とコラボして介護予防の体操教室を開いてほしいと依頼を受けたこと。「奏者というと年配の人かなと思いましたが、同じ世代くらいでビックリしました」と話す。身体を動かしやすい四拍のリズムに合う楽曲の選定から始め、１カ月で内容を練り上げた。「三味線のことを何も知らなかったので、イメージを練り上げるために、ずっと演奏を聞いていました」と当時の苦労を語る。

　○…佐賀県出身。小・中学校で水泳、高校・大学で野球に励むなどスポーツ好き。大学卒業後は一般企業に就職したが、当時の社長に言われた「自分の天命を探せ」という言葉に感銘を受ける。「自身のやりたいことについて考た時、『スポーツで社会に貢献したい』という想いを抱いたんです」と会社を退職し、埼玉県の国立障害者リハビリテーションセンター学院に進学。卒業後は、都内や旭区で介護職などに従事。現在では区内瀬谷で放課後等デイサービスを運営する合同会社アダプテッドスローの代表を務める。

　○…体操教室以外にも、特技のダーツを活かした教室や、子育て世代向けのセミナーなど、老若男女問わず幅広い世代が参加できるイベントを開催する。その理由は周りと関わる機会が少なく、地域から孤立してしまう家庭を少なくするため。「誰もが楽しめるスポーツで交流の機会を増やし、安心できる地域作りをしていきたいんです」と展望を語る。