犬を主役に地域見守る

　○…このほど結成１周年を迎えた防犯グループ「わんわんパトロール隊活動の街」。同会の発起人であり、代表としてメンバーたちのまとめ役を担う。会の特徴について、「主役が人ではなく、犬であることです」と今後も犬と協力しながら活動を続けたい、と意気込む。

　○…コロナ禍の給付金の使い道を考えた時、かねてから構想していたわんわんパトロールを実現しようと決めた。「この取り組みは私にとって初恋と同じ。絶対に叶えたいと思ったんです」と区役所に活動について相談。お揃いのバンダナを用意するなど準備を進め、交流があった犬たちとその家族で隊をスタートさせた。「活動を続けるうちに、『夜道を心細く思っていた時、隊員と飼い主が一緒に歩いてくれた』という話も聞き、嬉しく思いました」と笑顔を浮かべる。

　○…三ツ境出身。親から継いだ住居兼店舗の茶屋を営む。子どもの時から犬好きだったものの、家が飲食に関わる仕事にだったため、初めて飼い始めたのは30歳の時。その後、30年近くに渡り、２頭の犬と過ごした。「彼らは話すことはできないが、人の心を読み、動かす素晴らしい生き物」と魅力を語る。現在は個人の事情で飼うことが難しいそうだが、「その分、隊員である犬たちは自分の子どもだと思い可愛がっています」と、店前を通る犬たちを愛おしげに見つめる。

　○…現在の隊員数は１００頭を超え、次の目標は３００頭突破。さらに、所属する飼い主たちによる共済制度も考えている。「高額な手術費用などが必要になってしまい、諦める命がないようにしたい」と望む。犬は古来より人間の大切なパートナーだとして、大切にしていきたいと人一倍愛情を向けている。