昨年の12月定例会議において、西門商店街の買物公園通りに設置されている岡本太郎氏の作品「呼ぶ 赤い手、青い手」の改修に関する質問がなされたのに対し、加山俊夫市長が改修に向けて前向きな答弁を行ったことで、1982年の設置以来、一度も叶わなかった補修が実現する可能性が高まった。
昨年12月20日に開催された12月定例会議の本会議で日本共産党の松永千賀子市議が「呼ぶ 赤い手、青い手」について世界的に有名な岡本太郎氏の作品でありながら、これまで補修がなされず、貴重な美術作品としての価値が失われてしまう可能性があることを指摘。地域資源として今後どのようにシティーセールスなどに生かしていくのかを質問した。これに対し、加山市長は答弁で「この作品が芸術的に価値の高いものであることは承知している。美術品として市民の目を楽しませるだけでなく、シティーセールスや観光にも活用可能だと考えている。現在は経年劣化も見受けられることから、専門家の見解を踏まえ本作品の活用方法を検討していきたい」と答えた。
この作品は、1982年に、西門商店街の活性化と芸術振興を目的に、商店街が岡本太郎氏に制作を依頼したことで設置された。2009年には商店街が市に寄贈し、現在は、市が管理を行っている。
美術作品であるが故に、簡単には補修ができないこと、予算が確保できないことから、補修は設置以来一度も行われず、地元ではチャリティーイベントなどで集めた資金で作品を保護するための柵の設置や、ライトアップなどを行ってきた。西門地区商業地活性化協議会の浦上裕史会長は「これを機に相模原の財産の一つとして守っていく機運が高まれば」と話している。
市では、補修を行うには作品の権利を持つ「(公財)岡本太郎記念現代芸術振興財団」との調整が必要で、現在同法人と協議を重ねているとしている。補修は同法人が指定した専門業者しか許可されておらず、その専門業者に依頼した見積によると補修費は約700万円。費用は市が全額負担する考えではあるが、どの段階で予算化されるかは不透明な状況であることから市は「補修費の確保については地元の方々と知恵を絞っていきたい」としている。
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