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公開日:2026.04.23
田名で続く養蚕信仰 春秋に祭礼 「産業なくとも」
中央区田名の堀之内自治会館の敷地内に小さな社「蚕影山(こかげさん)神社」が鎮座している。同神社は茨城県つくば市に本社があり、関東一円の養蚕が盛んな地域に分祀されたと伝えられている。田名の神社もその一つという。4月12日には、この神社で「蚕影山」と呼ぶ養蚕信仰の行事が行われた。明治時代から続く祭礼で、幾度か途絶えながらも現在まで地域住民の手で受け継がれている。
自治会主催で定着念仏唱える
かつて相模原は養蚕業が栄えていて、「蚕影山」の祭礼は毎年4月に豊蚕祈願、10月に収繭への感謝を目的に営まれてきた。当日は神社に安置された金色姫の木像が御開帳され、地域の女性で構成される念仏講が鈴や鉦を鳴らしながら「蚕影山和讃」を唱える。
「かいこのはじめはてんじくのきゅうじうこくなるおんみかど―」。七五調で紡がれる和讃には、日本に養蚕が伝わった由来などが語られている。地元書店「三基書房」(中央区田名)の店主で念仏講のまとめ役を務める宮崎文江さんは、祖母が指導者だった縁もあり長年携わってきた一人。かつては20人以上が参加していたが、現在は70〜80代を中心に8人で継承している。宮崎さんは「当時の暮らしを思い浮かべながら唱えています」と話す。
市立博物館の学芸員によると、市内には蚕影山の名を冠する寺社が点在しており、各地で同様の信仰や祭礼が行われていたとみる。ただ、現在確認できる所はほとんどない。田名においても昭和40年代やコロナ禍で途絶えたこともあった。
そのような中、この行事を支えているのが、主催する地元自治会だ。当日は子ども向けの模擬店も並び、親子連れなどでにぎわいを見せる。かつては踊りやカラオケ、太鼓の披露も行われ、「春と秋の祭り」として地域に定着させてきた。同博物館学芸員も田名で続いていることについて「個人では継承が難しい中、自治会が主体となっている点が大きい」と話す。自治会法人田名堀之内自治会の杉崎等会長は「実家でも養蚕をしていたが、このような祭礼はなかった。田名では養蚕自体はなくなったが、地域の伝統行事としてこれからも守っていきたい」と話している。
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