県政報告Vol.38 県政の課題を問う 自民党県議会議員 河本(かわもと)文雄(ふみお)
全県展開に向けてインクルーシブ教育の推進を
令和元年第2回定例会より、ともに生きる社会かながわ推進特別委員会の委員長を拝命致しました。そこで今回は、「インクルーシブ教育」の推進について報告致します。
神奈川県では共生社会の実現に向け2016年に策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念に基づき、「支援教育」の理念のもと全ての子どもができるだけ同じ場で共に学び共に育つことをめざすインクルーシブ教育を推進しています。
インクルーシブ教育とは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)のサラマンカ宣言にある「インクルージョン」で示された、すべての子どもを包み込むという考え方で、子どもたちが互いの人格と個性を尊重し、支え合いながら思いやりの心を育てることでもあります。
インクルーシブ教育を推進することは、子どもたちがともに生きる社会かながわの担い手となり成長していくための大変重要な取組だと考えます。
県の具体的な取組としては、茅ヶ崎市、寒川町、厚木市、南足柄市の小・中学校7校において「みんなの教室」モデル事業を実施してきました。「みんなの教室」とは、すべての子どもができるだけ同じ場で共に学びながら、一人ひとりのニーズに応じた指導・支援を受けることができる仕組みのことで、学習の内容・方法・環境の工夫改善や交流および共同学習の機会の拡大のほか、教育相談コーディネーターを中心とした校内支援体制の整備などに取り組みました。これは、相模原市の「新・相模原市支援教育推進プラン」における基本方針1「支援教育の充実」、基本方針2「支援体制の充実」と重なるところがあり、一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援の充実を図るものです。
高校での取組としては県立高校改革実施計画・I期において知的障がいのある生徒が高校教育を受ける機会の拡大のため、16年度にインクルーシブ教育実践推進校のパイロット校として茅ヶ崎高校、厚木西高校、足柄高校の3校を指定しました。パイロット校では17年度から生徒が入学し、現在、1年生から3年生までの全学年で共に学校生活を送っています。また20年度スタートの県立高校改革実施計画・II期ではパイロット校3校に加え、新たに11校が指定され、この取組が全県で展開されることになりました。
相模原市を通学地域とするインクルーシブ教育実践推進校では、パイロット校の厚木西高校をはじめ、綾瀬高校、上鶴間高校、橋本高校が指定され、市内の中学校では実践推進校への志願を含めた進路相談が進んでいるのではないかと思います。
一方で、インクルーシブ教育は学校における取組だけではなく、学校と家庭、地域が相互に連携しながら進めることが必要であり、広く皆さんにインクルーシブ教育に関する取組を理解してもらうことが大切です。
神奈川県教育委員会では本県のインクルーシブ教育の推進を考える「インクルーシブ教育推進フォーラム」を継続的に開催中です。今年度は7月31日(水)南足柄市文化会館、8月8日(木)厚木市文化会館、同28日(水)寒川町民センター、10月26日(土)相模原南市民ホールで開催され13時40分開場、開催は14時〜16時30分です。参加申込は県インクルーシブ教育推進課のホームページで受け付けています。
今後も共生社会の実現に向けて努力してまいります。
神奈川県議会議員 河本文雄
相模原市中央区東淵野辺5-21-11
TEL:042-707-8836
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