東日本を中心に記録的な大雨をもたらした台風19号は、市内でも猛威を振るった。約13万世帯に避難指示・勧告が出され、各交通機関に乱れが生じた。津久井警察署によると14日午後4時現在、増水や土砂崩れにより緑区内で4人が死亡、3人が行方不明となっている。また貯水量急増による決壊を防ぐため、城山ダムでは初めて緊急放流が行われた。(14日起稿)
市危機管理局によると台風の影響で緑区では総雨量(連続雨量)763ミリ、中央区で同390ミリ、南区で同376ミリの記録的な大雨を観測。最大瞬間風速は12日午後8時25分に25・5メートル毎秒を記録した。
各地で停電や断水が相次いだほか、県の発表(13日午前7時12分)では市内で合わせて13万1632世帯、29万4565人に避難指示・勧告が出された。またJR横浜線や小田急線などの各線や神奈川中央交通バスが12日の昼頃から全面運休となるなど、交通網にも乱れが生じた。
津久井警察署によると14日午後4時現在、緑区牧野では台風による土砂崩れで70代の女性が死亡。串川では増水した川に車が流され、40代の男性と30代、10代の女性の死亡が確認されたほか、両地域で合わせて3人が行方不明となっている。また13日の県の発表では、台風の影響により市内で6棟が全壊、61棟が一部破損、床上浸水4棟、床下浸水8棟などの建物被害が出た。
緑区川尻にある割烹・やな川の柳川孝さんは「想像以上の大雨だった。店と自宅が損壊してしまったので、当面は営業もできない」とうつむいた。
相模川上流部の城山ダムでは台風の接近に備えて通常より水位を下げて対応していたが、貯水量が急増し決壊する危険性が出たため、初めて緊急放流が行われた。当初は12日午後5時を予定していたが、ダムへの流入量が想定を下回ったことで一時見送り、再び危険性が高まったため同9時30分から13日午前1時15分にかけて実施。水が流れ込む相模川で急激な水位の上昇の恐れがあったことから、市が地域住民に警戒を呼びかけるなどの対応にあたった。
台風の接近を受け、市は12日午後1時30分、本村賢太郎市長を本部長とする災害対策本部を設置。各局を横断して市職員総出で対応にあたり、ピーク時は48人態勢で情報収集に努めた。同日には市で初となる災害救助法の適用が決定した。
台風19号により緑区を中心に市内30箇所以上(14日午前7時時点)で土砂崩れや道路冠水などに伴う通行規制が行われ、完全復旧には時間を要することが予想される。台風19号による災害状況は県や市ホームページからも確認できる。
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