八王子 人物風土記
公開日:2026.07.02
脚本・監督を手がけた映画が第17回日本映像グランプリで優秀作品賞を受賞した 宮本 正美さん 長沼町在住 78歳
自分の思い描いた作品を
○…太平洋戦争直後の時代を生き抜く子どもたちを描いた映画『たからもの〜戦争に翻弄された子供たち〜』。映画制作会社「オメガフイルムプロ」の代表を務める傍ら自らメガホンを取り、映画監督として脚本から製作まで手がけた。同作は、未公開のオリジナル作品を対象としたコンテストで優秀賞に。「受賞することで多くの人に見てもらえる。芸術劇場で上映会も開かれ、うれしかった」と振り返る。
○…山口県出身。中学卒業後に高校進学のため上京した。2年間の浪人生活を経て、新設されたばかりの都立工科短大へ第一期生として入学。浪人時代、勉強の息抜きに観た黒澤明監督の映画に出会ったことをきっかけに、短大で自ら「映画研究部」を立ち上げた。複写機メーカーに内定が決まっていた卒業間際、先輩から「助監督をやらないか」と誘いを受けたことで道が一変。働きながらアルバイトとして映画の世界に足を踏み入れた。50代半ばに「原作ものではなく、脚本から作り上げたい」と一念発起し制作会社を設立した。
○…自身の幼少期の経験などをもとに「子どもは小さな心で親を想っている。その健気さを感じ取ってもらいたい」という思いから、十数年前に『たからもの』を製作した。撮影で特にこだわったのは天気。「晴れると顔に強い光が当たってしまう。曇りなら光が和らぎ、綺麗に撮れる」。このため撮影が何度も延期しかけたこともあったが、自分が思い描くものを納得のいく作品にするために貫徹した。
○…今執筆している5本のシナリオを完成させ、すべてを映画化することが当面の目標。休みの日には映画鑑賞をして、「自分ならどう撮影するか」を模索するなど、常に次の作品のことを考え続けている。
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