大和 社会
公開日:2026.08.28
古谷田市長インタビュー 人知れずの努力に感謝 美化の輪広がれ 地域一丸できれいな街めざす
地域美化特別号の発行にあわせて、本紙では大和市の古谷田力市長にインタビューを行った。近年、相鉄線の延伸をはじめ交通の利便性が向上し、「選ばれる街」としての潜在能力も高まる大和市。来年にはお隣の横浜市瀬谷区・旭区で国際園芸博覧会「GREEN×EXPO2027」が開催されるなど、インバウンド需要も期待される。さらに多くの人たちを引き付ける大和になるために、「美化」の観点から話を聞いた。
――古谷田市長は就任以来、「地域美化」や「清掃」に関する市民参加型のイベントに力を入れていると感じます。きっかけはどのような所にあるのでしょうか。
「世界中を熱狂させている、メジャーリーガーの大谷翔平選手は、フィールドやベンチのそばに落ちているごみを拾う光景がたびたびメディアで賞賛されています。
大谷選手のこの行動は、高校時代に監督から『ごみを拾うことで運を拾う』と教わって以来、意識的に取り組んできたそうです。奇しくも、私もまったく同じ考えを持っており、若いころから、目の前に、ごみを見つければ拾うことが習慣になっています。
ポイ捨てされたタバコ、空き缶、容器包装プラスチックごみなどは、街の景観やイメージ、清潔感を乱す大きなマイナス要因となります。そのため、市長就任後は、ボランティアの方々が清掃活動を積極的に行ってくださることで、清潔できれいな街並みが維持できていることに感謝しつつ、こうした輪を幅広い世代に浸透させていくことができないか、と考えました。
大和市の将来を担う子どもたちも、楽しみながら清掃活動に参加できるイベントを企画することで、美化意識を育み、大人になっても、ポイ捨てをしない人間に育ってもらいたいという思いがありました」
様々なイベント
――市独自の清掃イベント「LUCKY GET大作戦」などは、さまざまな世代が参加して盛り上がりました。ほかにもどんなイベントがあるか、その内容も含めてご紹介ください。
「大和市では近年、従来の清掃活動の枠を超えた、新しい地域美化の取り組みを次々と展開しています。企業・団体との連携を軸に、子どもから大人まで誰もが『楽しく』参加できる仕組みを構築し、清潔で住みやすいまちづくりを目指すための取り組みを二つご紹介します。
一つ目は、『ごみを拾うと、運も拾える』というユニークな発想から開始した、大和市独自の清掃イベント『LUCKY GET大作戦』です。
これは、3〜5人が1チームとなって、制限時間内に清掃エリア内のごみを拾い、集めたごみの種類や量に応じてポイントを競うという、ゲーム感覚のごみ拾いイベントです。また、子どもたちも楽しめるよう、ごみ拾いをしながら、清掃エリア内に隠されている『お宝玉』といわれるカプセルを集めると、清掃後に、当てくじやヨーヨー釣り、キックターゲットなどのゲームに挑戦できるという工夫も施しています。このイベントには、さまざまな企業や団体が、景品や参加者の支援、競技中の沿道整理などにご協力をいただいております。
二つ目は、大和市とポケモン・ウィズ・ユー財団が手を組んだ、子どもむけ清掃イベント『ポケモンピカピカ団with大和市』です。
参加者は黄色いビブスとトング・手袋を身につけ、ピカチュウになりきってごみ拾いに挑戦します。ごみを入れる袋にはモンスターボール・スーパーボール・ハイパーボールを模したデザインが施され、種類ごとの分別も楽しく学べる工夫が凝らされています」
ごみ拾いポイ活
――大和市では、アプリ(YUIMAALU)を活用した美化の取り組みも始まりました。イベント以外のこうした取り組み、施策などについてもお聞かせください。
「イベント以外の取り組みのうち、独自の取り組みについて、こちらも二つご紹介します。
一つ目は、ボランティア専用回収ボックス「LUCKY BOX」です。これは、ボランティアの方々が「拾ったごみをどこに捨てれば良いか」という声に応えて、大和駅前に設置しました。
美化は「政策の一丁目一番地」
この回収ボックスには、市内企業の株式会社ケイ・システムが開発した『企業の体重計』を搭載しており、投入されたごみの重量をリアルタイムで自動計算・データ化できる点が最大の特徴といえます。
このシステムにより、どの時間帯にごみが捨てられやすいか、季節によるごみの種類の違いなど、さまざまなデータを可視化することができ、今後の美化施策の立案への活用が期待されます。また、ごみの重量がクラウド上で分かることで、無駄な回収を避け、人件費の縮減にも役立っています。
二つ目は、LUCKY GET大作戦の一環として導入したごみ拾いポイントアプリ「YUIMAALU(ゆいまーる)」です。一般社団法人くらげれんごう(福岡県福津市)が企画・開発・運営するこのアプリは、ごみ拾いの写真を撮影・記録するとポイントが貯まり、貯まったポイントを応援アイテムと交換できる仕組みで、アプリの利用は無料です(通信費は利用者負担)。
貯まったポイントで交換できる応援アイテムは、企業等から提供いただいており、大和市環境事業協同組合や、大和市リサイクル事業協同組合からは再生紙を使用したトイレットペーパー、日本たばこ産業からはヤマトングッズ、桜ヶ丘ボウリングセンターからは貸し靴の無料券などです。
応援企業から提供されたアイテムは、市役所4階の窓口などで受け取ることができ、今後も応援アイテムは充実させていきたいと考えています。
『海洋ごみ問題を自分ごとに』という理念のもとに開発されたYUIMAALUを通年で導入するのは、大和市が全国で初めてですが、これにより、日常のちょっとした時間でも気軽にごみ拾いに参加できる環境が整ったといえます」
子どもたちの意見
――美化や清掃に関するイベントを多く行う意図や狙いをお聞かせください。過去に行われた「未来のやまとこどもミーティング」では、参加した市内の小学生から「ごみが多いところ」を「大和市の良くないところ」に挙げる声もありました。こうした声も影響しているのでしょうか。
「令和6年8月に実施した『こどもミーティング』では、ごみのポイ捨てに関する意見や要望を数多くいただきました。
例えば、『森にたくさんのごみが落ちている』、『ごみを見ると嫌な気持ちになる』、『良いね!と言われるまちは、清潔できれいな街、ポイ捨てが少ない街だと思う』といった意見でした。
私も、駅周辺などの人の流れの絶えない場所では、タバコの吸い殻や空き缶などのポイ捨てが見受けられるという認識はありましたが、子どもたちからごみに対する多くの意見が出て、美化への意識が高かったことは、私にとって気付きの場になりました。
こどもミーティングの中では、『ゲーム感覚でごみ拾い大会ができると良い』という意見をいただいたことから、子どもたちも一緒に取り組める清掃イベントを行いたいと考えました」
「ごみは宝」
――「地域美化」は市長が掲げる政策の一つと言っていいでしょうか。
「現在、横浜市に隣接する8市が水平・対等な関係で、圏域におけるマイクロプラスチックごみの削減に取り組んでいます。このなかで、この秋には、大和市が主体となって8市連携による清掃イベントを開催できないか、その準備を進めているところです。
私は、ごみにお金をかけて処分するという考え方を転換して、ごみを資源として有効活用したいと考えており、常々、『ごみは宝』と言い続けています。
こうした考えとともに、自分たちのまちを自分たちできれいにするという市民の意識をいっそう高めていくということは、両輪として捉えており、まさに、私の政策の一丁目一番地です」
清潔に保ち続ける
――大和市の不法投棄ごみ量の推移などを教えてください。過去5〜10年をみて大和市の不法投棄は減っていますか。それとも増えていますか。
「大和市の不法投棄ごみの回収量は年度によってばらつきはありますが、5年ほど前と比較すると半分程度となっており、徐々に減ってきている印象です。
1枚の割られたガラスをそのままにしておくと、さらに割れたガラスが増え、やがてまち全体が荒廃してしまうという『割れ窓理論』は有名です。ごみが多い街は犯罪が起こりやすくなる傾向にあるといわれます。
来年の3月には横浜市瀬谷区と旭区にまたがる旧上瀬谷通信施設で『国際園芸博覧会』も開催されます。小さなごみも放置せず、まちを清潔に保ち続けることで、大和市を訪れる方たちからも『大和市はきれいだね』と言っていただけるよう努めてまいります」
民間企業との協力
――環境美化は行政だけの取り組みではありません。これに関連して、毎月第2木曜日に「朝活清掃」が行われています。これは(株)ゼロエミッション(高座渋谷やつきみ野などでリサイクルショップを展開している)という企業が地域貢献の一環で行っています。また、東名工事を行っている清水建設(株)でも所長をはじめ従業員の方々が毎朝、清掃を行っています。こうした民間の取り組みについてどうお考えでしょうか。
「地域美化は、市民や行政だけの力では限界があります。こうしたなか、市内にハードオフなどを展開するゼロエミッションさんは、毎月の駅前清掃だけでなく、市が行う清掃イベントでも、参加者への景品など、さまざまな支援をしていただいております。
また、清水建設さんや中日本高速道路(株)さんも、東名高速道路の渋滞対策工事に関連して、PR館『ひろがる東名プラザ』を開設されたほか、毎日の中央森林地区での清掃も行っていただくなど、地域に貢献していただいており、大変感謝いたしております。
ほかにも、さまざまな企業や団体の皆様が、本市の美化清掃にご協力くださっております。
市といたしましても、清掃活動に必要とされる物品の配布や貸し出し、ごみの回収、清掃活動に積極的に取り組んでおられる企業を市ホームページで紹介するなどして、こうした企業の社会貢献活動を全力で後押ししたいと思います。それにより、本市の持続的な発展につなげ、『ウェルビーイング』が実感できる大和市の実現に邁進して参ります」(了)
ピックアップ
意見広告・議会報告
大和 ローカルニュースの新着記事
コラム
外部リンク
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!












