でこぼこ道の子育て記 27.自宅介護から施設入所へ一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛
―現在の連載は10年ほど前、子どもたちがまだ小さい頃、介護をしていたときの経験を書いたものです―
義父の介護は、デイサービスなどをうまく利用しながらあっという間に過ぎていき、気づけば数年。症状は少しずつに進行していました。やんちゃ盛りの孫たちにも、ちょっとしたことで怒るように…。
当時、私はそんな様子がすべて自分のせいだと思い込んでいたのです。母親は子育てが1番であるべきなのに、義父のことが最優先になってしまっている。その介護すらうまくいかない―。自己嫌悪で精神的にかなり追い詰められていたのだと思います。
ある時、ケアマネさんが「愛さん、そろそろ入所を考えた方がいいと思う」と声をかけてくれました。咄嗟に「大丈夫です!」と答えたのですが、「あなたがメンタルクリニックへ行ったほうがいいくらいなのよ」と言われ愕然。こんなに頑張ってきたのにどうして? と涙が溢れました。
夫や義妹に意見を求めると、「家で介護が上手くいかなくなったら、施設に入所するしかないかな」と。それでもすぐには諦めきれず、必死になって「まだ在宅で大丈夫」と訴え続ける私に、ケアマネさんがこう話してくれたのです。「この先もっと病気が進行してから施設に入るより、きちんと話ができる今のうちに、本人が納得して楽しく過ごしてもらう方がいいのでは?」と。頑なになっていた私の心に、その言葉がすとん、と入ってきました。そうして、発症から4年半。在宅介護はあっけなく終わりを迎え、義父は施設に入所することが決まったのです。 -次回に続く
|
|
|
|
|
|