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横須賀・三浦 トップニュース政治

公開日:2023.01.01

成果が顕在化する1年
上地市長新春インタビュー

  • 「取り組みの成果が表面化する」。新年の一字を掲げ

  • 市内の小学校で行われているBMX競技の訪問授業

 タウンニュース横須賀編集室では、2023年の年頭にあたり恒例の市長インタビューを行った。上地克明市長は「withコロナ」に向かって動き始めた1年間を振り返るとともに、まちの魅力と活力を向上させるエンタメ事業に込めた率直な思いを語った。今後の経済戦略の重点分野としていく物流拠点の整備や国と同一歩調で推し進めていくサイバーセキュリティー強化に関する考えも述べた。(聞き手は本紙編集長、安池裕之)

 ──まずは昨年の出来事を振り返っていただきます。

 「新型コロナの感染者は増減を繰り返し、予断を許さない状況が今も続いていますが、感染拡大防止と社会活動を両立させていくのが現在地。可能な限り物事を動かすことを念頭に、準備していた事業に取り組みました。全国規模のBMX大会やストリートダンスコンテスト、浦賀レンガドックを舞台とした『MEGURU Project』など、今後の横須賀を盛り上げていくための仕掛けづくりに注力した1年でした。集客がまちの活力を生み、その活力がさらに集客につながる。このサイクルを確立させることが重要です。市外から人を呼び込んで経済のパイを広げなければ、市内経済は衰退していくばかりです。強い危機感を持っています」

経済成長の新しい萌芽物流拠点、サイバーセキュリティー

 ──市長は音楽やスポーツ、エンタメなどが大好きで、派手なパフォーマンスが目立つとの声もありますが、その点はどう答えますか?

 「経済活性も人口減少の対策も大前提となるのがまちの活力です。これを底上げしていくためのツールとして持ち出しているのがエンタメであり、多くの人の興味を引くための大きな手段の一つとして考えています。もちろん市民のみなさんに楽しみを提供するという大切な役割もありますが、ここで得た経済の果実を福祉の分野に還元させていくことを第一義に考えています。もう少し踏み込んで話しますと、横須賀市は『eスポーツによるまちおこし』を推進しています。IT分野に強い人材の育成などの目的だけでなく、様々な事情で不登校になっている子どもたちが、ゲームを通じて自己肯定感を得ることや、社会とつながるツールとして役立てることができるのではないかと思っています。生き方の選択肢を増やす狙いもあります。これは『誰も一人にさせない』の理念に基づくものです」

 ──横浜F・マリノスのトップチームの練習拠点が久里浜に移転します。

 「チームが地域の求心力となり、サッカーを中心とした盛り上がりを期待しています。ホームタウンとしての親近感もより高まっていくでしょう。追浜のベイスターズファーム施設、平成町のBMXパーク、津久井浜海岸のウインドサーフィンと地域の特色と紐づけた活性化をこれから大きく動かしていきます。西地区では4月にソレイユの丘の再オープンがあります。全国で花を基軸とした事業を展開している日比谷花壇が運営主体となり、グランピングエリアも開設されるなど、新しい客層も取り込んでいきます。美術館も昨年の『運慶展』や『スカジャン展』と同様、既存のアートの概念に縛られない自由な発想の企画を民間事業者と協力しながら仕掛けていく考えです。ソレイユの丘、横須賀美術館、横須賀芸術劇場の三大施設は、それぞれ建設時に賛否が巻き起こりました。私も議員時代、美術館の建設に財政的な不安から反対の立場を取ったこともありましたが、今にしてみれば、この3つの存在が横須賀にどれほどの恩恵をもたらしているか計り知れません。当時の市長の英断に、深く敬意を表したいと思っています」

 ──もうひとつ久里浜エリアの話題として、計画では6月に火力発電所が稼働します。

 「この発電所の稼働は、南関東地域の電力の安定供給に寄与し、エネルギーの安全保障の観点からも非常に意義深いものと考えています。加えて、施設内には市民の憩いの場が整備される予定で、現在協議を進めています。脱炭素の課題はありますが、運営事業者は2050年までに、国内発電所からのCO2排出ゼロを目指すと聞いております。市としても『ゼロカーボン推進条例』を制定しており、同年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す取り組みを進めます」

 ──人口減少が止まりません。直近のデータでは、38万人を割り込んでいます。

 「市外転出はひと段落した印象です。横須賀中央駅周辺で高層マンションの着工計画が複数あり、これに期待を寄せています。開発事業者はこのエリアに人を呼び込むことが可能だと判断して、計画を進めています。『住みよい街』として評価されている結果でしょう。コロナ禍で住まいのニーズ変化もありますが、街の魅力を高めるこれまでの取り組みが一定の成果を見せています」

 ──谷戸の活性化にも力を入れています。

 「多様性の時代です。駅前の便利さを求める人がいれば、自然を身近に感じることのできる谷戸のような環境を求める人もいます。静かな場所で創作活動に専念したいアーティストなどが集まり始めており、地域を巻き込んだ新しい文化コミュニティーが形成されていきます。これにより突き抜けたまちのブランドイメージを打ち出すことができます」

 ──YRPに「業務スーパー」を展開する神戸物産の新しい拠点が設置されるなど、企業の設備投資の計画が市内各所で浮上しています。

 「横須賀と北九州を結ぶ長距離フェリーが就航し、国道357号(八景島─夏島町)の延伸や圏央道の未開通エリアの整備に伴う横浜横須賀道路への接続など、横須賀の立地環境が注目されています。これを戦略的かつ機動的に動くことで、企業誘致につなげ雇用も創出していきます」

 ──横須賀をサイバー防衛人材育成の新拠点にしていく方針を政府が打ち出しました。小泉進次郎衆院議員も推進していく姿勢を見せています。

 「防衛の重要拠点である横須賀は、地の利を生かせる条件が揃っています。陸上自衛隊久里浜駐屯地にある通信学校が改編されて『陸自システム通信・サイバー学校』となり、先端ICT拠点でもあるYRPとの連携もあり得ると考えております。この分野の必要性を私も十分理解しており、フランスのブルターニュにあるサイバークラスターを訪れたこともあります。横須賀市がどのように関与していくべきか考えを巡らせています。企業進出や新産業創出を期待したいところですが、慎重さも大切です」

 ──上地市長が旗を振る「音楽・スポーツ・エンターテイメント都市」のマインドが職員に浸透してきたことを感じます。斬新なアイデアや柔軟な発想を持った職員が現れており、民間事業者との連携で従来では考えられないような企画が次々に実現しています。そのひとつに浦賀レンガドックの底を大胆に使用したステージイベントなどがありました。

 「半島は経済も文化も閉鎖性が弱みです。新しい風を吹き込み続けなければなりません。外部から知見を得ることも必要です。職員一人ひとりがまちを盛り立てる意識を高めていけば、横須賀はもっとよくなります。私自身、率先垂範して実現させていきます」

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