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公開日:2026.06.05
二子山山系イノシシ 捕獲累計800頭 伝播する被害、両市に影
二子山山系(横須賀市、葉山町、逗子市)を中心に生息域を広げているイノシシの累計捕獲数が、4月24日に800頭に達した。2013年の初確認から13年。当初は葉山周辺に留まっていた影は、横須賀市そして三浦市境へと着実に南下している。横須賀市では直近5年間で逸見や田浦、秋谷などで目撃情報が相次いでいる。捕獲の最前線に立つ葉山町鳥獣被害対策専門員の三井修さんは、現在の状況を「もはや二子山山系のイノシシという規模ではない。三浦半島全体に広がっている」と危機感をあらわにする。
24年には大楠山への侵入が確認され、翌年には幼獣の姿も撮影された。さらに、横須賀リサーチパーク(YRP)内の池で行われた環境DNA調査ではイノシシの反応が出ており、既に武山方面まで生息域が及んでいる可能性も否定できない状況だ。
横須賀市長坂にあるごみ処理施設「エコミル」付近でも足跡が見つかっているが、付近は民間企業の所有地が多く、罠の設置許可申請に1カ月ほど要することが対策の障壁となっているという。その間にも、個体は着実に南へと移動を続けている。最も懸念されるのは、長井から三浦市へと続く広大な農地への侵入。三井さんは「長井などの農地で、甘みの強い春キャベツの味を覚えられたら最後だ」と警鐘を鳴らす。一度味を占めたイノシシは執着心が強く、防護柵を突破してでも収穫物を食い荒らすため、三浦特産のスイカやメロンも格好の標的となりかねない。
現在、捕獲活動を行っているのは葉山町鳥獣被害対策実施隊、横須賀市・逗子市による共同事業(民間委託)、神奈川県(民間委託)の3者。25年度は実施隊115頭、横須賀市・逗子市16頭(横須賀14頭/逗子2頭)、県35頭、一般狩猟者2頭の計168頭が捕獲された。26年度は6月1日時点で横須賀市内ですでに3頭が捕獲されている。三井さんは「葉山町は通年で対策を強化しているが、他自治体との温度差がある。半島全体で本腰を入れなければ手遅れになる」と訴える。
被害を防ぐため、市民にできることは少なくない。農作物を防護柵で守ることや、放棄果樹の管理などで誘因物を除去することが、防衛策の一手になりうる。
三浦市農産課によると、三浦市内では現状目撃情報や被害は報告されていないという。
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