国政の現場から 脱炭素シティを目指して 自由民主党 衆議院議員 星野つよし
経済と環境の好循環で成長を
「我が国は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指します」と菅総理大臣は2020年10月26日の所信表明演説で宣言し、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げてグリーン社会の実現に最大限注力することを表明しました。これは、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」(2015年締結)ですべての国連加盟国は「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べ、1・5度以内に抑える目標を掲げる」ことに沿ったものです。
小泉環境大臣は昨年12月、2030年の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を、現在の目標の倍となる4割以上に高める意向を表明しました。
政府は、2050年、カーボンニュートラルの実現に向けた革新イノベーションを推進するための2兆円の基金を創設し、電化や電力のグリーン化、水素、CO2固定・再利用等の重点分野における野心的な研究開発を10年間にわたり支援することを決定しました。
再生可能エネの拡大、蓄電池高度化へ
電源において期待が集まっているのが、再生可能エネルギーの洋上風力発電です。洋上風力発電は、人が暮らす陸上に比べると制約が少なく、大型化が可能で、多数の機器が設置できます。経済産業省と国土交通省、民間事業者がまとめた長期計画によると2040年までに最大4500万キロワットを導入する目標を掲げました。全体の8割にあたる約3500万キロワットを北海道、東北、九州に整備する目安も示しました。電力の大消費地から遠い点が課題ですが、長距離を効率的に送電できる「直流送電」の導入に向けた検討も始めます。
蓄電池の能力アップも急がれます。特にEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)の動力に使う次世代型リチウムイオン電池の開発と価格の大幅引き下げは、従来型のガソリン車からEVなどへの切り替えを進めるには不可欠です。また、リチウムイオン電池は、送配電網と連携して電力需給を制御する際の蓄電池にも使えます。自然条件などで電力供給が大きく変化する再生可能エネルギーの拡大には、蓄電池の高度化が必要です。
省エネ、電化、電源の脱炭素化、水素化を進めても化石燃料を使わない姿は現実的ではなく、CO2を回収・貯留するネガティブエミッションも極めて重要です。CO2分離回収による合成燃料等のカーボンリサイクルも推進します。
さらに、2050年のカーボンニュートラルの実現には、それを都市レベルで進めていくリーディングシティの出現が必要です。
2014年にスタートした「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(FSST)」は、地域の地球温暖化対策への貢献が目的で、タウン内の戸建住宅約600世帯全てに、太陽光発電システム、蓄電池ユニットを装備し、家庭内のエネルギーを賢くマネジメントする「スマートHEMS」でエネルギーを自産自消する「自立共生型のエネルギーマネジメント」を実現しています。
ここでは、様々な実証実験が行われており2月からは、小型低速ロボットによる住宅街向け配送サービスの実証実験が始まります。我が街藤沢こそ、全国に先駆けて脱炭素シティのリーディングシティを目指すべきではないでしょうか。
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今年も改めて国の成長を通して地域の発展に尽くしていきます。
これからも皆様からのご意見や思いなどをお待ちしております。
能登地震に学べるか。3月29日 |
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